廃棄物が撤去された福井市下市町のため池=2014年4月

 福井市下市町にある市所有のため池に、許可なく建設廃棄物などで池の一部を埋めたとして、市が地元建設業者と元代表者らに、撤去などにかかった費用約2億8900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決言い渡しが30日、福井地裁であった。林潤裁判長は市側の主張をおおむね認め、建設業者と元代表者に対し、約2億2千万円の支払いを命じた。

 市にも一定の管理責任があったとして、被告側が負う賠償額の2割を削減。建設業者に廃棄を委託した元請けとされる業者に対しての請求は棄却した。

 判決理由で林裁判長は「建設業者と元代表者が産業廃棄物が混入したと知りながら、違法に埋め立てた」と認定。被告側が地元自治会から埋め立て承諾を得ていたとの主張については「承諾する権限が自治会にないことは明らか」と退けた。

 一方で、市のため池の管理について「長年、地元自治会などに委ね、所有者として管理も状況報告を求めるなど現況把握もしなかった」と指摘。2007年夏に市職員が埋め立てを把握したにもかかわらず、業者が同年12月末に埋め立てを中断するまで、防止する措置を講じなかったことで「3年近くの長期の埋め立て継続を許し、範囲や量の拡大を招いた」として、市にも一定の責任があるとした。

 市は「おおむね市の主張は認められた。今後の対応については、判決の内容を詳細に確認の上、判断する」とのコメントを出した。被告側の代理人は「判決を読んでいないのでコメントできない」としている。

 判決によると、埋め立ては総面積1710平方メートル、総量は推定3200立方メートル。市によると、2005年から07年にかけて埋め立てが行われ、12年の汚染調査では鉛やヒ素、水銀、ホウ素の項目で法定基準値を上回る地点があった。市は13年から14年にかけて撤去作業を行った。

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