検証試験で車輪幅の切り替わる軌間変換装置を通過するフリーゲージトレインの試験車両=17年3月、熊本県八代市

 2023年春の北陸新幹線敦賀開業後に暫定導入する計画があるフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)について、九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)の与党検討委員会は19日の会合で、長崎ルートでの先行導入を断念することを決めた。九州新幹線用の車両開発が前提となっていた北陸新幹線への導入は、開発の遅れで極めて困難な情勢となった。

 会合後、福井新聞の取材に対し国土交通省は、FGT開発を進めても北陸への導入は最速でも敦賀開業から8年後になることを明らかにした。ただ「技術開発の成果もあり、開発をやめるとかの判断はできない。北陸への導入についても今後検討する」としている。

 長崎ルートへの導入断念について、検討委の山本幸三委員長は「新大阪まで直通することを前提として整備が進められてきた。FGTは最高速度が270キロにとどまり、高速化の進む山陽新幹線への乗り入れは困難」と説明した。

 長崎ルートの整備あり方について会合では、夏までに一定の結論を出すとしていた全線フル規格かミニ新幹線方式かの整備方法決定を持ち越すことを決めた。佐賀県が両方式とも財政負担が増加することに難色を示し、折り合いがつかなかった。

 長崎ルートは、佐賀県内の新鳥栖―武雄温泉で在来線を利用するためFGTを導入する予定だったが、採算性の低さや開発遅れから困難になっていた。運行主体のJR九州は全線フル規格を要請していた。建設費はフル規格だと6千億円、ミニ新幹線は1700億~2600億円と見込まれ、FGTの800億~1400億円より膨らむ。

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