海外向けに福井の情報を発信するサイト「ECHIWA」

 「日本で一番、楽しい体験になった」。福井新聞「まちづくりのはじめ方」企画班が昨年6月、福井市の一乗谷朝倉氏遺跡で開いた食のイベント「ふくいフードキャラバン」。もうすぐ米国に帰国するという外国語指導助手(ALT)の20代女性が、山あいの農村に伝わる郷土料理の味や一乗谷の歴史に触れた一日を、こう表現した。

 その半年後、福井新聞の企画記事でデザインや建築、ITの各分野で活躍する東京在住の福井県出身者5人が都内に集まり、福井の未来像を自由に語り合った。「独自性を守る」「残すべきものだけを残す」。5人に一致していたのは、新しいものをつくるのではなく、今ある価値を生かすという視点。「古いことを変わらずにやり続け、世界ブランドを目指していこう」と古里にエールを送った。

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 海外向け福井の魅力発信サイト「ECHIWA(エチワ)」は、記事を「食」「人」「自然」「工芸」「風土」の5分野に分けて英語と日本語で紹介。写真や動画を添えビジュアルも重視している。単なる観光情報ではなく、日々の暮らしの中にある福井の魅力を映し出すことが目標だ。

 サイト作りのチームには2人のU・Iターン者が加わっている。企画班の記者らとの交流をきっかけに昨秋、福井市に移住したフリージャーナリストの松岡由希子さん(43)=奈良県出身。欧米のまちづくり事例に詳しく、記事の取材や翻訳にその経験を生かしている。「県外から福井の魅力を探ろうとしたけど、参考になるサイトが見つからなかった」と移住前を振り返り、企画班の背中を押している。

 サイトのデザインや動画制作は、企画班が運営に携わるコワーキングスペース「sankaku」の利用者でもある映像作家の水上晃一(あきひと)さん(43)=福井市=が担当。名古屋市でデザイン関連の実績を積んでいた水上さんも昨秋、企画班との出会いを機にUターンしてきた。

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 福井を日本の地方から世界の地域へ—。

 先の福井県出身者の座談会をまとめた特集紙面では、取材を通じて感じた福井の可能性を見出しに込めた。サイト「ECHIWA」は、その可能性を追い求める第一歩だ。

 人から褒められ、自分の良さに気付く経験は誰にでもあるはず。「ECHIWA」を見た海外の人から「福井ってすてきなまちですね」と言われたら…? 古里福井をもっと誇れるよう、サイトの内容を充実していこう。

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