久保さん夫妻(右)は5人、坂東さん夫妻(後列左から2、3人目)は4人の子宝に恵まれた。町内にはほかに5人の子どもがいる家が2軒ある=福井県越前市勾当原町の「ふれあい会館」

 少子化が大きな課題となる中、福井県越前市西部の中山間地、勾当原町(こうとうがはらちょう)で子だくさんの家庭が増え、話題となっている。中学生以下の5人きょうだいが3組、4人きょうだいが1組いて、住民は「ここ数十年なかった状況」と驚く。祖父母や地域住民の存在が、安心して子育てができる環境につながっているようだ。

 同町は同市坂口地区にある30軒の集落で、人口105人。このうち65歳以上が38人で、高齢化率は県内平均を上回る。しかし近年、子だくさんの家庭が続々と誕生。町内全体で小学生は12人、中学生は6人に増えた。全校21人の坂口小、同14人の武生二中坂口分校の“主力”となっている。

 久保勇大さん(32)、由香理さん(33)夫妻は3男2女に恵まれた。5人目の三男優穏(ゆおん)ちゃんは10月に誕生したばかり。勇大さんは「家の中はいつも、テレビの音が聞こえないほどにぎやか。でも仕事から帰ると、子どもの元気に疲れが吹っ飛びます」と目を細める。

 坂口幼稚園、坂口小、武生二中坂口分校は一緒に行事を行っていることもあり、町内の子どもたちは学年関係なく、毎日のように他の家の友だちと遊んでいるという。

 5人または4人の子どもがいる4軒は、いずれも祖父や祖母と同居している。久保由香理さんは「町内に子どもが多いのは、面倒を見てくれるおじいちゃん、おばあちゃんの存在が大きいのでは」。中学2年から小学2年までの3男1女の父坂東和樹さん(42)は3世代同居に加え「子どもが外に出掛けていても、地域の人がみてくれているという安心感がある」と“地域力”の高さも背景にあるのではと話す。集落の住民たちに温かく見守られ、子どもたちは伸び伸びと育っている。

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