「歩いて楽しめる街の先進地に」と訴える広井良典教授=27日、福井市のハピリンホール

 公共交通を軸にしたまちづくりを考える第8回「人と環境にやさしい交通をめざす全国大会」の市民フォーラムは27日、福井市のハピリンホールで開かれた。基調講演では高齢化社会を好機と捉え、これまでの自動車中心から公共交通を活用した「歩いて楽しめる街」への転換を訴えた。

 京都大こころの未来研究センター教授の広井良典氏が、「人口減少社会を希望に」と題し基調講演した。世界的に自動車中心社会が見直されているとし、「高齢化を都市の在り方を変えるチャンスとし、歩行者中心の街を実現していくべきだ」と強調した。電車やバスを充実させ、歩行者空間を意識した国内外の先進地も紹介した。

 また高齢者のためのコミュニティーや居場所という視点を持ったまちづくりが必要と指摘。高齢者が出歩ける街にすることで、介護予防につながるとした。「これからは豊かなコミュニティー空間としての都市、地域を実現していく時代になる」と締めくくった。

 引き続きパネルディスカッションでは、「つなげよう人と地域、めざそう夢のあるまちづくり」をテーマに有識者ら6人が議論。福井市の中西賢也特命幹は、路面電車の持続に向け市民の合意形成が大切とし「路面電車は福井のランドマークであるという意識を市民に根付かせていきたい」と話した。東大大学院の原田昇教授は「街中に高齢者や子どもらが一緒に遊べる場所をより多くつくれたらいい」と提案した。

 大会は福井県内の学識者らでつくる実行委員会や、NPO法人ふくい路面電車とまちづくりの会(ROBA)などが主催。えちぜん鉄道と福井鉄道の相互乗り入れや、福鉄の福井駅西口広場への延伸など、県内の公共交通が今春大きく変化したことから初めて県内で開いた。

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