22日、裁判員裁判の公判が開かれた1号法廷=福井地裁

 覚醒剤を職業的に密売していたとして麻薬特例法違反などの罪に問われた福井市、無職田端幸夫被告(50)の裁判員裁判公判の証人尋問が24日、福井地裁で行われ、証人の男性が検察の質問に対する証言を拒否した。22日にも別の男性証人が、真実を述べることを誓う「宣誓」を拒んだため証人尋問が中止に。証言拒否が2人目となる異例の事態となった。

 証言拒否のあった両証人尋問は、検察側の供述調書に弁護側が同意しなかったため、検察側が請求し行われたもの。24日の証人は同被告の覚醒剤密売の顧客とされる男性。20分遅れで出廷した男性は、宣誓書を読み上げたが検察側の「被告を知っているか」「報復を恐れているのか」など約30の質問すべてに「答えたくない」と述べた。弁護側の質問には答えた。

 入子光臣裁判長が促した、同被告を退廷させるなどの措置も拒んだ。理由も述べなかったため入子裁判長が、証言義務に反するため過料が命じられる可能性があるとし「それでも証言を拒否するか」と聞いたところ、男性は「はい」と述べた。検察側は2人の供述調書を証拠として提出、採用された。

 福井地検の相馬博之次席検事は「コメントすることはない」としている。

 この日は被告人質問も行われ、田端被告は起訴内容について黙秘した。

 ◆証言の義務 

 刑事訴訟法では、証人として呼び出された場合、正当な理由がない限り出頭、宣誓し、証言する義務がある。これを拒むと10万円以下の過料などの制裁を受ける。自分が刑事訴追を受けたり、有罪判決を受ける恐れがあるなど一部の場合は証言を拒否できる。

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