のぼりを作って北山町産のサトイモのPRに力を入れる生産組合のメンバー=福井市北山町

 福井市北山町の農業生産組合が、地元で栽培しているサトイモのPRに力を入れている。一般的なサトイモよりも大粒で柔らかく、茎が赤黒いのが特徴。約60年前に偶然見つかった品種で、少しずつ株を増やしてきた。「まぼろしのさといも」と銘打ち収穫体験会を開くなど、知名度向上に取り組んでいる。

 このサトイモを見つけたのは、北山町農業生産組合の園芸担当、糸生幸男さん(83)。約60年前に上庄里芋を栽培中、一つだけ背丈が大きく茎が赤黒いサトイモを発見し、収穫したのがきっかけだった。研究機関で正式に品種を調べてはいないが、それ以来知り合いの農家に少しずつ株分け。知る人ぞ知るサトイモとしてじわじわと広まってきた。

 芋は「上庄」よりやや大きい直径7センチ前後で、茎の高さも1・5メートル以上と長め。現在約千平方メートルで800株ほどを栽培。毎年約2トン以上を収穫している。特におでんやシチューにするとおいしいという。上庄里芋より1カ月遅く植えても同時季に収穫できるなど、生育が早い。

 北山町の特産野菜として発信していこうと、昨年からPRに乗り出した。「まぼろしのさといも」と書いたのぼり旗を製作。地元上文殊小の児童を招いた収穫体験会も開いている。スーパーや市場などには出荷しておらず、同組合でしか入手できないが、口コミで人気が広がっているという。

 今年は既に収穫を終えた。糸生さんは「柔らかくお年寄りには持ってこいで、リピーターが多い。今年は注文が多すぎて応じきれなかった」とほくほく顔。「ちょっとよそとは違うサトイモ。担い手を見つけて、いつか福井の伝統野菜になったら面白い」と、後継者の育成に意欲をみせている。

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