ランス美術館展にちなみシャンパンや藤田嗣治について専門家らが秘話を紹介したトーク会=23日、福井県立美術館

 福井県立美術館(福井市)で開かれている「華麗なるフランス絵画 ランス美術館展」(同展実行委員会=福井県立美術館、福井新聞社、福井放送主催)の関連イベントで、「ソムリエトーク会〜シャンパンと芸術の味わい方〜」は23日、同館で開かれた。古都ランスを中心にしたシャンパーニュ地方が誇るシャンパンや、ランス展の目玉の画家藤田嗣治(1886〜1968年)について、専門家らがエピソードや秘話を紹介した。

 日本ソムリエ協会北陸支部役員でシニアソムリエの中村哲也さんと、同美術館元館長の芹川貞夫さん、フリーアナウンサーの黒原真理さんの3人が話した。

 トークはシャンパンの街ランスの紹介から始まり、芹川さんは「ランス美術館の所蔵品はシャンパンメーカーからの寄贈が多い」と説明。中でも藤田を支援したマム社は、当時の社長がバラの絵に魅せられて付き合いが始まり、最晩年の藤田が建設に心血を注いだ「平和の聖母礼拝堂」の土地や建設費も提供。2人には「心の交流があった」と話した。今回の展示品にある礼拝堂の壁画の下絵は「ランス以外で公開されるのは初めてで、今後も簡単には見られない」と強調した。

 中村さんはマム社のロゼシャンパンの王冠には藤田が描いたバラの絵があることを紹介。シャンパンの楽しみ方については「飲む30分前に冷蔵庫から出せば、香りも楽しめる」とした。

 藤田の人柄について芹川さんは「きまじめな人」とし、太平洋戦争後に日本で戦争画の責任を問われ、フランスに戻った際「私が日本を捨てたのではない。日本が私を捨てた」と述べた逸話を披露。「フランスは藤田を最初から最後まで認め、受け入れていた」と話した。

 夫婦で訪れた福井市の上中哲夫さん(73)は「芸術に関するフランスの懐の深さを痛感した。シャンパンとの関係も興味深かった」と話していた。

関連記事
あわせて読みたい