日本刀の業務上横領容疑などで福井市の刀剣販売・修理会社の男が逮捕された事件で、「被害者の会」の福井など10府県15人の刀剣愛好家らがこの会社と男を相手に、預けた刀などの返還を求め22日、福井地裁に集団訴訟を起こした。原告側は会見し「新たに相談に来ている人もおり、さらに提訴する可能性が高い」とした。

 インターネットサイトを舞台に全国に被害を拡大させた同社の事件が、民事訴訟という新たな展開を迎えた。

 原告側によると、原告が被告に預けた刀剣は数十万円相当のものから、最高で100万円余りの価値の品もあるという。会見では原告代理人の久田浩誌、西村雄大両弁護士が「愛着ある刀や遺品など、切実に返してほしい品ばかり」と説明。「被害者の会」事務局長で社会問題被害者救済センターの村内光晴代表は「被害者は毎晩、眠れないなど苦痛が大きい。一人でも多くの人を救いたい」と述べた。

 提訴されたのは福井市の勝山剣光堂と、同社代表取締役の勝山智充被告(48)=同罪などで起訴済み。被害者の会の会員数は現在、22都道府県の61人に上っている。

 訴状によると原告は▽刀剣の修理依頼▽刀剣などの委託販売依頼▽修理や売却の見積もり—のいずれかの理由で被告に預けた刀剣や鐔、刀箪笥などが、不当に返されないままになっているとして返還を求めている。

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