吹雪の中、市街地の道路を除雪する車両

 近年の暖冬傾向で忘れられがちだが、福井県は全域が法律に基づく豪雪地帯に指定されている雪国だ。大雪で道路の除雪が進まなければ、住民の生活に深刻な影響を及ぼす。除雪の中心になる建設業界は機械のオペレーター(操作員)の高齢化に直面し、「あと数年が限界」と悲鳴を上げている。

 全国建設業協会は今年、全域や一部が豪雪地帯などに指定されている24道府県の協会と会員企業を対象にアンケートを行った。オペレーターについて福井県内14社のうち8社が「最低限の人員を確保」、6社は「不足」と苦境を浮き彫りにした。態勢をどの程度維持できるかは4社が「1年後」、6社は「3年後」と先行きの不透明感を訴えた。

 県の2015年就業実態調査では、県内の建設業で働く約3万9700人のうち、29歳以下が約3600人に対し、65歳以上は約6千人と大幅に上回った。県建設業協会によると、除雪機械のオペレーターの中心も50〜70代。積雪が見込まれれば前日夜から待機し、午前2時には点検を始め、遅くとも同4時には作業を始める。日中に降り続けば、交代できない場合もある。

 松田七男会長は「80歳になると体がついてこない。ベテランが引退しても代わりの若い世代がいないし、若手がいても長続きしない。4、5年前から『あと5年が限界』と言ってきたが、その限界が目の前に迫ってきた」と危機感を隠さない。

 松田会長の会社は、県内でも特に雪が多い大野市和泉地区の除雪を担っている。自社で二十数台の機械を保有し、行政の貸与分を含め、約30台を動かす。「オペレーターは最低でも40人は必要。通年で雇用し、社会保険にも加入している」と説明する。

 県は一定額以上の土木工事で、入札価格に地域貢献を加味して業者を選ぶ「総合評価落札方式」の対象にしており、除雪契約も加点の対象となる。嶺北地方の建設会社の元経営者(71)は「年1、2回の出動のためにオペレーターを確保し、除雪以外に使い道のない機械を自社で保有するのは負担が大きい。本来はやりたくないが、県や市町の仕事を受注するには除雪に協力せざるを得ない」と漏らす。

 福井市は2016年度、市道約1790キロの除雪で249社と契約している。建設業者だけでなく、造園業者や管工業者など重機を扱える幅広い業種に門戸を広げているが、契約先は15年度に比べて10社減った。市道路課の担当者は「市民の要望や道路整備で除雪対象区間は増えているが、休廃業や機械の老朽化などさまざまな理由で除雪をやめる業者もいる。現在の契約先にはできるだけ長く続けてほしい」と語った。

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