北陸新幹線敦賀以西のルート案

 北陸新幹線敦賀以西に関する3ルート案の調査結果が国土交通省から示され、北陸、関西の経済界をはじめ小浜・京都ルートを求める声が日増しに高まっている。22日には福井県の西川一誠知事が沿線自治体のトップを切り、与党敦賀以西ルート検討委員会に出席。小浜・京都ルートが米原、舞鶴ルートより「早さ」や「使いやすさ」で優れていることを主張し、年内決定と早期整備を訴える。

 ■そろう足並み

 「乗客の利便性と速達性、料金、災害発生時の完全なバイパス機能などの観点で、一部区間であっても、他の新幹線と重複しない方がいい。北陸経済連合会、JR西日本が推している小浜・京都ルートで早期に着工してほしい」

 17日に北陸新幹線建設促進同盟会などが行った中央要請で、関西経済連合会の辻卓史リニア・北陸新幹線担当委員長は、福井県が求める小浜・京都ルートの支持を表明した。関経連が敦賀以西の具体的なルートに言及したのは初めて。15日に表明した北陸経済連合会の久和進会長と足並みをそろえた。

 18日には富山県の石井隆一知事が定例会見で「乗り換えがなく早く着き、料金が安い小浜・京都ルートが良いという意見が相当多い」と評価して事実上の支持を表明した。

 富山県議会最大会派の自民党会派も同じ考えを総会で決定。中川忠昭幹事長は「北陸新幹線の金沢開業後、富山県民は金沢駅での乗り換えに苦労している。東海道新幹線の代替機能という意味でも、大阪に直通することが大事だ」と強調。国の調査結果では、小浜・京都ルートの工期は米原ルートより5年長いが「年内に決め、金沢—敦賀と同時に整備を進めれば、その差はないに等しい」と力を込める。

 ■大混雑の恐れ

 利用者のメリットが最も大きい小浜・京都ルートに対し、乗り換えが必要で所要時間が一番長く、料金が最も高いのが米原ルートだ。

 国交省幹線鉄道課によると、米原駅での乗り換えは15分と想定。敦賀—新大阪の距離は小浜・京都ルートより約20キロ長いために運賃が高く、JR西とJR東海の両路線を走ることで特急料金が割高になる。

 特急しらさぎの乗客に加え、湖西線を走っていた特急サンダーバードの利用者も米原駅で乗り換えになり、改札は今よりさらに大混雑する恐れがある。乗り継ぎダイヤの調整も困難が予想される。

 ■過密ダイヤ

 米原ルート推進派には「リニア中央新幹線が大阪まで開業すれば、東海道新幹線の過密ダイヤに余裕が生まれ、北陸新幹線を乗り入れることができる」との見方がある。

 ただ、リニアと東海道新幹線「のぞみ」の共通駅は品川と名古屋、新大阪の3駅しかなく、福井県新幹線建設推進課は「東京、新横浜、京都駅で乗り降りする人の多くはのぞみを引き続き利用するだろう」と分析。また、新たにリニア沿線となった地域の利用者も、リニアから東海道新幹線や北陸新幹線に乗り換え、京都、北陸方面に向かうと想定され、東海道新幹線の過密ダイヤは解消できないとする。

 一方、舞鶴ルートは国の調査結果で投資に見合わないとの数値が示され、3番手との見方が大勢だ。しかも福井—新大阪の所要時間は小浜・京都ルートに比べて12分長く、運賃も約2千円高い。福井だけでなく、北信越の沿線地域にもメリットがなく、福井商工会議所の川田達男会頭は今月1日の会見で「舞鶴ルートなら悲劇」と述べた。

 22日の与党検討委で西川知事は米原、舞鶴ルートには最も大事な利用者の視点が欠けていることを訴える予定だ。

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