2008年に休校となった勝山市荒土小細野分校=14日、福井県勝山市荒土町細野

 小中学校再編の議論が進む隣接の福井県大野市と同様、勝山市でも3年前まで中学校の統合、再編の協議が盛んに行われた。当初は「3中学校9小学校を1中学校3小学校に」との素案から始まり、その後に中学校の再編を優先させた。「『なぜこの時期に、このタイミングなのか』。保護者との話し合いの中でそんな意見が数多くあった」。市教委は当時を振り返る。

 8年をかけた議論の末、2013年に市教委が出した結論は、再編時期を24〜25年度をめどとし、5年後に再検討を行うとする事実上の先送り。小学校については学校区の住民意思に基づいて決める意向だ。

 9小学校に児童1114人、3中学校に生徒576人が在籍する勝山市。近年では08年に荒土小細野分校が休校したが、分校以外の再編となると19年前の北谷小の廃校が最後。中学校は1974年以来、3校体制だ。「基本的にかつての町村ごとに小学校1校の体制が続いたため、学校再編は議論になりにくかった」(市教委)

 ただ少子化の波は確実に押し寄せている。

 市南部にある平泉寺小はことし、6年生児童がゼロとなり来春の卒業式はない。

 中学校でも部活動に影響が出始めている。勝山北部、中部中で見ると、この10年で合わせて八つの部活が減少。北部中では2007年に美術部が廃部となった結果、運動系以外の選択肢はブラスバンド部のみとなった。

 中部中校区の保護者の男性(40)は「部活の数が少なくなっていることは、10年前から話題になっていた。もっと早く学校を再編するべきだったのに」と不満顔だ。一方で同校の別の保護者は「県大会や北信越大会で活躍する部もある。単純に生徒数が少ないから統廃合するのは乱暴では」との見方を示す。

 複式学級などが議論のポイントとなる小学校の規模についても、保護者の考え方は多様だ。

 今月10日に開かれた市総合教育会議。保護者代表の委員は、小規模校ならではの良さとして連合音楽会を挙げた。「低学年から参加できる点で人生の経験値が違ってくる」。デメリットばかりではないとの見方だ。

 中学校の再編について、市教委は18年度に検討委員会を立ち上げ、19年度中に方針を出したい意向だ。先送りした「冷却期間」を経て本格化する議論。多様な意見をどう調整し、住民や保護者からどのように理解を得るか、大きな課題となる。

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 任期満了に伴う勝山市長選は12年ぶりに選挙戦となることが確実となっており11月20日告示、27日に投開票される。市長選を前に市の課題を問う。

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