6.3メートルかさ上げされ高さ日本一になった厨西護岸=18日、福井県越前町厨

 荒波に負けない高さ日本一−。福井県越前町厨の越前漁港厨西護岸の強化工事が18日に終わり、高さ17・0メートルの“巨大な壁”が完成した。高波が迫り来る冬を前に、漁業者から「今冬は一安心」と安堵(あんど)の声が上がっている。

 厨西護岸の内側には船の係留場が設けられている。1997年に造られ、陸と平行する南北の長さは224メートル、水面からの高さ10・7メートルだった。ことし1月に始まった強化工事では、6・3メートル分をコンクリートでかさ上げした。水産庁によると、全国の漁港の護岸では長崎市の長崎漁港(14・4メートル)を抜いて最も高くなった。護岸の海側には、64トンの消波ブロック689個を新たに置いた。

 かさ上げ工事の発端は2012年12月、発達した低気圧の影響で高波が発生。護岸内側に係留中だった漁船が転覆し、2人が海に投げ出された。地元漁協から強い要望もあり、県が「漁港施設機能強化事業」として14年から整備を進めており、厨西護岸の事業費は約8億6千万円。

 越前漁港に係留している底引き網船「海征丸」の乗組員矢部誠さん(43)=同町道口=は「海水をかぶると船が重くなってしまう。漁業者としては本当にありがたい」と頼もしげに見上げる。近くの旅館関係者は「宿泊者の中には護岸の高さに驚く人もいる。昔からの常連さんは『海が見えなくなり雰囲気がない』とこぼすが、住民としては仕方がない」と話していた。

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