天然記念物に答申された勝山恐竜化石群の一つ「フクイベナートル」の骨化石(福井県提供)

 国の文化審議会は18日、福井県勝山市北谷町杉山で発掘された恐竜5種類の化石計239点と発掘現場を、「勝山恐竜化石群及び産地」として天然記念物に指定するよう松野博一文部科学相に答申した。福井県教委によると、天然記念物として恐竜化石・産地が指定されれば全国初。県内の天然記念物は1951年に指定された「蒼島(あおしま)暖地性植物群落」(小浜市)以来で8件目となる。また敦賀市字立石エリヶ崎の立石岬灯台と灯台敷地を囲む塀「囲障(いしょう)」の2件を、登録有形文化財(建造物)として登録するよう求めた。

 恐竜化石群は、国内で最初に命名された肉食恐竜のフクイラプトル(44点)、草食恐竜のフクイサウルス(16点)、フクイティタン(20点)、コシサウルス(5点)、小型肉食恐竜のフクイベナートル(154点)。いずれも1億2千万年前の地層(手取層群)から発掘された。産地は、これら化石群を産出した県の第1〜3次(1989〜2011年度)調査地の崖部分で計4557・83平方メートル。

 国内の恐竜化石は福井県など17道県で発見されている。学名が付いているのは7種類で、5種類が福井県産。産地からは卵や足跡、ワニ類など多様な化石も見つかっており、恐竜時代の環境が明らかにされ、恐竜の自然史遺産として学術的価値が高いとされた。

 福井県立恐竜博物館の東洋一特別館長は「約30年続けてきた研究などが一つの集大成として認められた。化石群としての評価も大きな意味がある。まさに恐竜王国」と話した。

 立石岬灯台は敦賀半島の最北端に位置し、1881年に建てられた。日本人技師が施工に携わった最初期の洋式灯台。材料や技術の面で再現が難しい点が決め手となった。

 「囲障」は同年に建築され、土塁上部に鋳鉄製の柵がある。土塁の側面に沿って、解体した退息所(灯台を管理する職員の住宅)の石材が積んであり、灯台とともに当時の様子を物語っているとして評価された。

 今回の答申では、県内を除くと、史跡名勝天然記念物に13件を新指定、登録記念物2件、登録有形文化財(建造物)175件を新登録、重要文化的景観1件を新選定するよう求めている。他に追加指定などもある。近く答申通り告示される。

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