美浜原発3号機の蒸気発生器。死傷者を出す事故を起こしたプラントだけに、安全に対する関電の姿勢に厳しい視線が注がれる=10月24日、福井県美浜町丹生

美浜原発を巡る経過

 原子力規制委員会が40年超運転を認めた関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)は、2004年に配管の破断で作業員11人が死傷する事故が起き、関電の安全に対する考え方を抜本的に変える契機になったプラントだ。それだけに、ささいなミスや見落としがないか、専門家からも厳しい目線が注がれる。再稼働した場合に、機器の保全がきちんと実行されるか、安全に対する姿勢があらためて問われる。

 関電は40年超運転を目指し昨年、特別点検を実施。大部分の機器・構造物は現在の保全活動の継続で健全性を維持できると評価した。これまできめ細かい保守管理に取り組んでおり、40年を経てもプラント全体は高い水準にあるとの主張だ。一方で、一部の機器について「長期保守管理方針」を定め、特別な保全措置を行うとしている。

 美浜3号機事故は、運転開始から27年間も点検されなかった配管の経年劣化が原因だった。これまでの県原子力安全専門委員会の会合で、同じく40年超プラントの高浜1、2号機を審査した際には、山本章夫委員(名古屋大大学院教授)が事故を引き合いに、経年劣化に対する規制委の審査姿勢をただした。他の委員からも、検査漏れがあった場合の安全性や、機器の劣化予測などについて意見が相次いだ。

 規制委事務局の原子力規制庁は「保全プログラムの法制化と、保全を適切な時期に設定しているのかや、行われるかを見る」と規制の仕組みを説明。劣化しているかどうかは、その前提となるこれまでの保全活動の状況から確認してきたとした。結果的に、関電が運転延長を申請した高浜1、2号機と今回の美浜3号機の3基について、規制委は合格とした。

 今月2日の県原子力安全専門委員会の会合後、中川英之委員長は「関電は安全風土の形成など努力してきているだろう」と理解を示しつつ、「特に(事故を起こした)美浜3号機は、その成果も踏まえたソフト対策がどこまできっちりできているか確認していく」と強調。最後はプラントに携わる人々の教育が重要になるとの認識を示している。

 規制委の田中俊一委員長も16日の記者会見で「美浜事故を受けて、当時の原子力安全・保安院が相当きちっと受け止めて対策を取ったということなので、その精神は受け継いでもらいたい」と関電に注文。日頃の点検を強化するよう求めた。

 関電社員の一人は「常に最新の知見を取り入れるほか、日頃の点検に関して、劣化状況を確認しながら頻度を変えるなどしていく」と述べ、規制の枠組みにとらわれることなく、継続的に保全を実施していく姿勢を示した。

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