半年前に軽〜中度の外痔核(がいじかく)になり、以来治癒と再発を繰り返しています。会社員で仕事は基本的にデスクワークで、排便回数が1日2〜3回と比較的多いことも影響しているかと思いますが、この生活環境と習慣はなかなか変えることはできません。現在、治療として毎日軟こうを塗っているのですが、やはり完治を目指すには手術しかないのでしょうか。(福井市、42歳男性)

【お答えします】恩地英年・福井総合病院外科部長

 ■生活習慣の改善優先

 外痔核は歯状線(直腸と肛門のつなぎ目)より肛門側にできるいぼ痔のことで、歯状線の内側にできる内痔核とは異なり、肛門付近の血流が悪くなり血栓ができることによって起こります。この部分は痛みを感じることも多く、内痔核のように手で押し込むことができません。また、急速に血栓が生じ、排便と無関係に突然の激しい疼痛(とうつう)や出血がみられることもあります。

 血栓が小さく痛みが軽度のものは入浴などで患部を温め、必要に応じて軟こうを使用することで数日のうちに痛みや腫れは軽くなります。激しい痛みが出る場合でもピークは1〜4日で、多くは生活習慣の改善と軟膏や温浴などにより2〜4週間で症状は軽減します。

 治療はほとんどの場合手術を必要とせず、便秘や下痢、長時間の座位、体の冷え、飲酒、疲労、ストレス、香辛料などを避ける生活習慣の改善が優先されます。特に便意は我慢せず、排便時には肛門に圧をかけすぎないように腹筋を意識し、息を吐きながら短時間で行うように心がけることが重要です。また、十分な水分と食物繊維を摂取し、朝食を規則正しくとることで便意のコントロールをしていきます。

 ■手術後再発する可能性も

 外科手術は、腫れや痛みが非常に強い場合や出血が止まらない場合などに考慮されます。局所麻酔下に患部に小さな切開を加え血栓を取り除く手術が基本で、外来でも行えます。また血栓を含め、外痔核を取り除く手術もあります。

 ご相談の方はこの疾患に対する生活習慣の重要性を理解はされているものの、改善はなかなか困難なようです。また、完治を希望とありますが、手術により再発率の低下や再発までの期間の延長は期待できますが、生活習慣の改善なしでは術後に再発する可能性も十分にあります。

 軽〜中度とのことですので現時点では手術ではなく、まずは生活習慣の改善のうちできることから努力されてみてはいかがでしょうか。

 ただ、ステロイドが含まれる軟こうの長期使用により、皮膚炎や白癬(はくせん)(かび)症といった副作用が出現することもあり、改善が得られないようでしたら肛門科を受診し相談されることをお勧めします。

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