舞妓体験で芸妓さんから太鼓の手ほどきを受けるニコール・クラスマンさん(左)=福井県あわら市の伝統芸能館

フェイスブックで発信するため福井県庁前の紅葉を撮影するニコール・クラスマンさん

 外国人広報ウーマン、県内駆ける—。福井の情報を海外に伝え誘客増につなげようと、福井県広報課に外国人として初めて配属されたオーストラリア出身の女性スタッフが奮闘中だ。伝統芸能体験やご当地グルメの食べ歩き…。体当たり取材の様子を会員制交流サイト(SNS)や動画投稿サイトで紹介し、外国人の目線で地域の「宝」を掘り起こしている。

 「この着物、重くて長いですね」
 「そう、だから『お引きずり』って言うのよ」

 11月初旬、あわら市のえちぜん鉄道あわら湯のまち駅前広場内にある「伝統芸能館」。県広報課のニコール・クラスマンさん(23)が、芦原温泉芸妓協同組合の芸妓さんに着物を着付けてもらいながら、質問を投げ掛けていた。日本髪のかつらを付け、顔は白塗り化粧。初めての舞妓体験だ。「まるで自分じゃないみたい」。鏡で自身の姿を確認し、満面の笑みを見せた。

 あでやかな舞妓姿に“変身”した後は、動画撮影のため、同館前の広場を散策した。

 同館では芸妓や舞妓の着付けやお座敷遊びを楽しむことができ、年間50人前後が体験に訪れる。クラスマンさんは「伝統芸能を身近に体験できるプランは、きっと多くの外国人に喜ばれる。頑張ってPRしたい」と意気込んだ。

 ケアンズ出身のクラスマンさんは子どものころ、日本のアニメをテレビで見て育った。近くに日本人の家族がいて「オーストラリアと違う文化に興味を持った」という。高校生の時、愛知県に留学し、メルボルンの大学時代も日本語を学んだ。

 「日本の魅力を広く伝える仕事がしたい」と大学在学中に、文部科学省などが行う「JETプログラム(外国青年招致事業)」に応募。外国人の広報スタッフを募集していた福井県との思惑が重なり、8月に配属された。

 鯖江市のめがねミュージアム、越前市のタケフナイフビレッジ、県立恐竜博物館、敦賀赤レンガ倉庫、福井市の養浩館庭園…。この3カ月間は週1、2回、精力的に県内を駆け巡っている。地域の祭りにも顔を出すなど“ネタ”探しに躍起だ。

 「あまり知られていないけど、福井には世界に自慢できる魅力がたくさんある」とクラスマンさん。「紅葉など四季折々の風景を発信していきたい。越前がに漁の取材もしてみたい」と意欲を示している。

 クラスマンさんの取材の様子は、フェイスブックの県専用ページ(Experience_fukui)やユーチューブで紹介している。舞妓体験の動画は、今月下旬から公開する予定。

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