GPS捜査を巡る主な司法判断

 被告の運転車両に無断で衛星利用測位システム(GPS)端末を取り付けた福井県警の捜査の違法性が争点となっている、覚醒剤密売事件の裁判員裁判が15日、福井地裁で開かれる。GPS捜査の違法性は全国の地裁、高裁で判断が分かれており、市民の意見を取り入れた裁判員裁判の判決が注目される。福井地裁の公判では証拠採用の可否を22日に判断してから、起訴内容の具体的な審理を行う。

 GPS捜査が争点となるのは、覚醒剤を職業的に密売していたとして麻薬特例法違反などの罪に問われている福井市、無職田端幸夫被告(50)の裁判員裁判。

 GPS捜査を争点とした裁判はこれまでに大阪、名古屋、広島など少なくとも7カ所の裁判所であった。名古屋高裁が今年6月に「令状がなければ違法」とする一方、広島高裁は7月に「令状は不要で適法」とするなど、違法かどうかで下級審の判断は分かれている。

 関西を中心とした連続窃盗事件の裁判では、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)が10月、審理を大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)に回付した。プライバシー保護と捜査の在り方に大きな影響を与える可能性があるとして、大法廷での審理が必要と判断したもようで、初の統一判断を示すとみられている。

 福井地裁の公判では、15日にGPS捜査に関する冒頭陳述や弁護側1人の証人尋問などを行い、16、17日に検察側としてGPS捜査などに携わった県警警察官9人の証人尋問を行う。21日は被告人質問、中間論告、中間弁論がある。22日の証拠の採否は、裁判官3人が専権で決める。

 その後、起訴内容の麻薬特例法違反などの罪に関する冒頭陳述や証人尋問などがあり、12月6日に判決を言い渡す。

 警察庁が2006年に出したGPS捜査に関する通達では、犯罪の疑いや危険性が高く、速やかな摘発が求められ、他の手段で追跡が困難な場合は、裁判所の令状が必要ない任意捜査で利用できるとしている。

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