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 この映画は、インドの北西部にあるグジャラートという州の巨大繊維工場の労働者たちを追ったドキュメンタリー。長回しでゆっくりとカメラが薄暗い工場の中を写していくと、そこにはやせ細り、疲れ切り、生気をなくした従業員たちが、黙々と作業を続けています。彼らが作っているのは、自分たちが着ている汚れてヨレヨレになった洋服とはまるで対照的な、鮮やかで美しい模様の布です。インドは近年、国内総生産(GDP)の成長率を7%程度増やしていて、13億人という莫大な人口を総動員することで急速な成長を遂げています。

 以前、日本の有名なアパレルメーカーの下請け工場が、従業員に月100時間以上の時間外労働を課していたことがありました。でも、この映画に登場する労働者たちは、そんな過酷な条件をあたかも当たり前のことと受け入れています。

 彼らが地獄のような思いをして作ったインド製の綺麗な服を買って、おしゃれを楽しみながら生きてきた私は、カメラをふと見る彼らの目が、自分を責めているように感じてしまってなりませんでした。1日12時間必死に働いてももらえる賃金は、たったの210ルピー。日本円で400円ほどです。11歳の男の子は、何度も寝落ちしながら必死に働いています。従業員の男性が話した「貧困は、嫌がらせ行為」という言葉が、今も心に残っています。★★★★☆(森田真帆)

7月21日(土)から全国順次公開

監督:ラーフル・ジャイン

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