与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの会合に臨む山本衆院議員(左から3人目)、高木衆院議員(同4人目)、滝波参院議員(右)=11日、衆院議員会館

 11日に与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)に示された北陸新幹線敦賀以西の3ルート案に関する国土交通省の調査結果では、福井県が求める小浜・京都ルートと、滋賀県が要望する米原ルートは投資に見合う効果があると評価された。この二つを軸に検討が進みそうだ。小浜・京都ルートはJR西日本提案の強みと1973年の整備計画に沿った歴史の重みがあるが、3番手の舞鶴ルートも強力な政治力で巻き返しを図るとみられ、絞り込みは難航する可能性もある。

 ■小浜・京都ルート

 小浜・京都ルートの最大の長所は所要時間の短さ。運賃も最も安く、1日1キロ当たりの輸送人員数を示す敦賀—新大阪の「輸送密度」は約4万1100人でトップだ。速達性と利便性で米原、舞鶴ルートを圧倒していることが、国のデータで裏付けられた。

 運行主体のJR西日本が提案しているのも強み。整備新幹線の着工5条件には、貸付料(新幹線施設使用料)を支払うJRの同意が含まれているからだ。1973年に決められた整備計画に「敦賀—大阪は小浜市付近を通る」と明記された重みもある。

 与党PTメンバーで、敦賀以西ルート検討委員の高木毅衆院議員(福井2区)は「小浜・京都ルートの優位性は揺るがない」と力を込めた。

 ■米原ルート

 米原ルートの建設延長(約50キロ)は小浜・京都ルート(約140キロ)の3分の1。そのため建設費が最も安く工期も10年と短い。「コストだけ見れば財務省の受けはいいだろう」と見る向きもある。

 北陸3県も一枚岩ではなく、石川県会は昨年9月議会で米原ルート実現を国に求める決議案を可決。主導した自民党石川県連会長の福村章県議は「北陸と関西圏、中京圏を同時につなぎ、建設費が安くて早く完成する米原ルートが最適。圧倒的に優位なデータが示された」と鼻息が荒い。

 ただ、東海道新幹線は過密ダイヤで北陸新幹線が乗り入れられないため、米原駅で乗り換える必要がある。さらに県新幹線建設推進課は「収益がJR西と東海に分割され、財源となる貸付料が確保されるのかという問題がある」とする。

 ■舞鶴ルート

 舞鶴ルートは、3番手の結果だった。与党PT会合に出席した議員によると、旗振り役を務める敦賀以西ルート検討委員長の西田昌司参院議員(京都選挙区)は「データの積算根拠を示してほしい」と不満をにじませたという。

 「西田氏は舞鶴ルートの費用対効果が低いことは最初から分かっていたはず。安倍政権が最重要政策に掲げる地方創生の観点で訴えてくるのではないか」。こう見るのはベテラン県議の一人。前地方創生担当相の石破茂衆院議員(鳥取1区)ら山陰新幹線の早期実現を求める国会議員の会とのスクラムで議論が拡散し、結論が越年することを警戒する。

 小浜・京都ルートの今後の行方について、記者団の取材を受けていた与党PTメンバーの滝波宏文参院議員(福井選挙区)の近くを通りかかった与党PT座長の茂木敏充自民党政調会長は「ちゃんと決めるから」。年内のルート決定へ力強い言葉を掛けた。

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