もんじゅが立地する敦賀市白木区で長年区長を務めた橋本さん(右)と面談し、誘致経緯など聞く西川知事=11日、福井県敦賀市役所

 政府が廃炉を前提に抜本的な見直しを進める高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、福井県の西川一誠知事は11日、敦賀市役所を訪れ、地元白木区長を長年務め誘致に関わった元市議会議員の橋本昭三さん(88)と面談した。知事は誘致の経緯や地元との共生の様子などを聞き「地元の思いを十分受け止め、国との協議に当たる」と述べた。

 橋本さんは、もんじゅ建設前の1965年から通算15回区長を歴任し、95年のナトリウム漏れ事故時には市議会議長を務めていた。白木区の生活や出来事、もんじゅの記録を和紙に墨書で書き続け、67年間で4万6千枚を超えた。面談は知事側が打診し、渕上隆信市長も同席した。

 橋本さんは、当時の動力炉・核燃料開発事業団が建設を打診してきたが、区の総会でいったん断り、約1年後に現在の立地場所で建設計画が進んだ歴史を振り返り「もんじゅが来て、今は地場産業のような形で若い人が安定して就職している。誘致して住民生活は良くなった」と語った。

 政府の唐突な廃炉方針には「びっくりした。日本の将来のエネルギー開発のために研究を続けてもらいたいのが地元の考え」と話し、地元の意見を十分聞いて国と協議してほしいと知事に求めた。

 知事は面談後、「机上で議論している国には、橋本さんに代表するような敦賀市民の生の話を感じてほしい。市長と一緒に国にしっかり伝え、地元にとって信頼できる結果が出るようにしたい」と記者団に述べた。

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