米大統領選で共和党のトランプ氏が勝利したことを受け、米国に拠点を持つ福井県内の上場企業からは為替、株価など経済全体や業績に与える影響を懸念する声が上がった。

 「皆さん、予想していましたか?」。9日の決算会見で、フクビ化学工業の八木誠一郎社長は驚きを隠さなかった。一方で「米議会の“ねじれ”が解消され、しっかりとした政策が実効性あるものになるとの期待はある」と言及。日米関係については「いい関係であってほしい」と述べた。

 業績への影響について同社幹部は「現地で生産・販売している。為替の影響は海外拠点だけをみれば、ドルベースでの決算なので影響はない」と説明した。ただ日経平均株価は同日、下げ幅が一時前日比で千円を超えるなど大きく動揺。「株価の暴落が起きると業績には決してプラスにならない」と警戒感を示した。トランプ氏の保護主義的な考えが、貿易に対する制約的な動きにつながる可能性にも触れ、円高に伴う住宅着工の冷え込みなどを懸念した。

 米国のほか、メキシコにも生産拠点を持つセーレンの結川孝一社長は「選挙ではメキシコとの国境に壁を築くと言っていたが、メキシコの工場で作る製品は米国に輸出している。国境の壁が本当に実行されれば、企業活動も減速するなどの影響が出る」とし、今後の動きを注視する構えを示した。

 日華化学の江守康昌社長は、トランプ氏の勝利に「国民が変化を求めていたのだろう」とコメント。「円高や株安といった日本経済全体への影響が危惧される。県内には繊維や眼鏡といった、ものづくり企業が多く、米国への輸出も展開している。地場産業への影響も出るかもしれない」とした。

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