福井県議会防衛議連の議員が作成した報告書の写し。視察内容の記載は数行にとどまっていた

 他にも有権者の批判を免れられないようなケースがあった。6月に沖縄県那覇市の航空自衛隊基地、8月に陸上自衛隊富士総合火力演習を見学した防衛議連の有志の多くは、ひな型のA4判の紙に箇条書きしていた。中には視察内容を2行にとどめた議員もいた。今後の報告書のあり方について会長の田村康夫議員(県会自民党)は「事務局と相談したい」と述べた。

 一方、数人の議員は議連などでまとめた団体の報告書とは別に、個人で作成した詳細な報告書を提出していた。

 市民オンブズマン福井の伊東晴美事務局長は「個人の所感、集合写真だけでは報告書といえないし、数行なんて問題外。貴重な税金を使って視察した以上、県民のために今後どう生かしていくかを具体的にまとめるべきだ。有意義な議員視察とは何なのか改めて考えてほしい」と語る。

 政治資金オンブズマン共同代表の上脇博之神戸学院大教授(憲法学)も「一人一人がそれぞれの視点で成果を示すのは当然のこと。抜本的に改めないといけない」と述べる。その上で議員の団体視察について「仲良しの団体旅行ではないのだから大人数で行く必要がない。厳しい財政事情の中、政務活動費を効率よく節約して使うべきだ」とする。

 中堅議員の一人は自戒を込めてこう語った。「報告書ももちろん大事だが、視察の結果を議員活動に生かすのが大切だ。目的を持った視察だったことが県民に分かるよう一層努めていく必要がある」

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