児童虐待が疑われる家に強制的に立ち入ったと想定した合同訓練=1日、福井市の県警本部葵分庁舎

 全国的に増加傾向にある児童虐待事案への対処能力を高めるため、福井県警と児童相談所の連携強化を図る合同訓練が1日、福井市の県警本部葵分庁舎で開かれた。相談所員と警察官が、虐待が疑われる保護者ともみあいになるなど緊迫した状況の中で、子どもを保護するまでの流れを確認した。

 訓練には本年度新設された県警少年女性安全課と、福井県内各署や福井県総合福祉相談所、敦賀児童相談所などの約40人が参加。想定として、両親と長女(15)、次女(2)の4人家族での虐待事案とし、マンションの住民から「男女の言い争う声や女の子の泣き声が度々聞こえる」と通報があったとして「立ち入り調査」と強制的に行う「臨検・捜索」を訓練した。

 「臨検・捜索」訓練では、居留守だったり、出頭要求などに応じなかったりしたとして、家庭裁判所の許可状を持って訪問した。子どもの安全確認に応じないため、チェーンロックを切断して入室。母親が包丁を持ち出すなど緊迫した状況の中、長女と次女を保護した。

 訓練後の反省・検討会では「興奮している母親にしっかり説明できないまま保護してしまった」「全体の状況を見回すのが難しかった」などの意見が出されていた。少年女性対策課長の黒田裕幸参事官は「実際の現場では想定外のことが起きる。万が一に備え今後も訓練を」と話していた。

 全国の児童相談所が対応した児童虐待件数は25年連続で増加し、2015年度は初めて10万件を超えた。県内の対応件数も15年度は過去最多の353件だった。

関連記事
あわせて読みたい