福井大会の開会式で整列する30校の監督。ここ数年で30、40代の指揮官が増えた=7月12日、福井県営球場

 福井県の高校球界はここ数年で名将の勇退が相次ぎ、監督の若返りが加速した。意欲に満ちた30、40代の指揮官の切磋琢磨が、レベルの底上げにつながり、混戦の一因になっている。

 福井工大福井は昨年8月、春夏の甲子園に計7度導いた大須賀康浩前監督からコーチだった田中公隆監督(44)にバトンタッチした。大阪桐蔭OBで福井工大などを経て、大阪桐蔭のコーチを10年間務めた経験があり、中田翔(日本ハム)、森友哉(西武)らを指導した手腕が期待されている。

 啓新は、東海大甲府(山梨)を春夏の甲子園で計3度4強に導いた大八木治前監督が「動体視力の衰え」などを理由に昨年末で退任。前部長で、相洋(神奈川)時代の教え子の植松照智監督(39)に“禅譲”した。

 県立勢が巻き返し、実力伯仲の今夏の福井大会に挑む田中監督は「(混戦を)抜け出したい」と意欲を示す。植松監督は「選手の力を引き出したい」と初の甲子園出場を目指す。

 世代交代の分岐点は2011年だった。福井商業を春夏の甲子園に通算36度導いた北野尚文元監督が同年3月で勇退。教え子の米丸友樹監督(40)が後を継ぎ、甲子園は11年夏に出場し、13年夏は2勝を挙げた。

 11年8月には、敦賀気比の林博美前監督がOBでコーチの東哲平監督(37)に交代した。その後、甲子園で13年春、14年夏に4強入り。15年春は北陸勢初優勝に導くなど県内高校球界をリードし、名将への道を歩んでいる。

 「北野福商」で選手として甲子園に出場した指揮官も増えた。坂井の川村忠義監督(44)は昨夏の甲子園初出場に導き、敦賀の吉長珠輝監督(32)は昨夏の福井大会で決勝に進んだ。02年春の選抜大会4強の主将だった美方の玉村拓史監督(33)、1996年夏の甲子園4強メンバーで福井農林の竹野浩彰監督(40)もいる。北野元監督は「指導者が切磋琢磨して県内のレベルアップにつなげてほしい」と期待する。

 県高野連の山田栄司会長は「母校や地域を盛り上げてくれている例が多い。県内で競り合い、その先の甲子園で勝ち上がれるチームをつくってほしい」と話している。

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