「この素晴らしい世界に祝福を!」の13巻

 暁さんは、素顔や経歴を明かさない覆面作家だが、著者紹介欄には「福井県越前市出身」と入れており、古里への思い入れは強い。作中でカズマがトラクターに耕されそうになる場面は、実家近くの田んぼをイメージして書いたといい、登場人物の面々がカニを好んで食べる一こまもある。父は洋画家で菊人形師だった。「たけふ菊人形」の人形製作に携わった経験もあるそうだ。

 「執筆ペースには波があり、締め切りが迫って出版社の会議室にこもって書くこともある」と人気作家としての一面をのぞかせる一方で、国境を越えた大勢のファンに注目されていることに「いまだに実感が湧かない」とはにかむ。精力的な創作活動の傍ら、プロ作家の登竜門「第24回スニーカー大賞」などの選考委員を務め、後進の発掘も担っている。新作シリーズ「戦闘員、派遣します」も好調で、漫画原作にも乗り出すなど勢いは止まらない。「福井県や越前市の名を世界に広められたら」とぼくとつながら力強く語る。

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