「この素晴らしい世界に祝福を!」の13巻

 シリーズ累計650万部という大ベストセラーのライトノベル「この素晴らしい世界に祝福を!」(略称このすば)。作者の暁なつめ(あかつき・なつめ)さんは福井県越前市出身だ。異世界に転生した少年が一癖ある仲間たちと繰り広げるコメディー要素たっぷりの冒険物語が、読書離れが指摘されている中高生ら若者らの絶大な支持を得ている。アニメや漫画、ゲームになり、映画化も決定。海外での人気も高く、現代の出版界が目指す最高峰のメディアミックスも達成した。

 暁さんは小中学生の頃からファンタジー小説に親しみ、2012年にライトノベルの新人賞で1次選考を通過したのを機に、小説投稿サイトに自作を掲載するようになった。12年末~13年秋に連載した「このすば」が大きな反響を呼び、13年に角川スニーカー文庫からデビューした。

 16年のアニメ化で知名度はさらにアップ。これまでに14巻とスピンオフ3作品を刊行した。「異世界コメディーの金字塔」と評され、「10年に1度あるかないか」(同文庫編集部)のメガヒットを記録している。

 主人公は、ショック死したゲームオタクの少年、カズマ。女神の力を借りて魔王の支配するファンタジー世界へ転生し、魔法使いや剣士ら複数の美少女とパーティーを組むものの、それぞれ珍妙な性格・性癖の持ち主。冒険は思うように進まず、物語は奇想天外な展開にもつれ込む。

 「キャラを作るときはギャップを必ず一つ入れている」と暁さん。例えば、主要キャラの女神アクアは、女神なのに細かいことを気にしない豪快な性格で生活能力がない。魔法使いのめぐみんは最強攻撃魔法「爆裂魔法」の使い手だが、1日1発しか撃てず、小回りのきく魔法は使えない。口調には誰の発言か区別できるように個性をつけており、テンポのよい会話と軽妙な筆致で読者を非日常の世界にいざなっていく。

関連記事