福井県内の伝統工芸産地などを巡っている澤崎裕太さん=25日、福井県鯖江市西袋町

 自転車で日本一周しながら、全国各地の伝統工芸産地巡りをブログで紹介している澤崎裕太さん(26)=北海道出身=が、23日から福井県に滞在している。旅のきっかけは越前漆器職人の実演を見たこと。鯖江市内の漆器工房を訪ね「ようやく念願がかなった。手仕事のすばらしさを多くの人に伝えたい」と喜びをエネルギーに変えている。

 澤崎さんは北海道小樽市で生まれ、親の転勤で東京、ドイツなどを転々とし、北海道の大学を卒業。約2年間会社勤めをしたが思いと違い、2014年に辞め、日本一周の計画を進めていた。その時、東京の伝統工芸品アンテナショップで越前漆器職人の漆塗り実演を見かけ、巧みなはけさばきや真剣なまなざしに感動。自身がドイツ滞在時に感じた経験から「日本文化の伝統工芸について学び、多くの若者にも知ってほしい」と伝統工芸産地巡りを決意した。

 昨年10月15日、故郷の北海道小樽市を出発。太平洋側を南下しながら、伝統工芸産地約100カ所のほか、神社仏閣やマイナーな観光スポットなども巡っている。自転車トラブルやけがに見舞われ今年8月中旬に同市に戻ったが、9月下旬から再び日本海側を南下している。

 43都道府県目となった福井県では、越前竹人形の里(坂井市)や曹洞宗大本山永平寺(永平寺町)、県立恐竜博物館(勝山市)などを訪問。25日には、越前漆器産地の鯖江市河和田地区で、蒔絵(まきえ)職人塚田孝一郎さん(66)の工房を見学した。

 細やかな筆遣いを写真に収め、作業工程などの質問を投げかけていた。見学を終え、澤崎さんは「ずっと見たいと思って旅を続けてきたので満足。塗りと蒔絵などの精細な技術が結集して作品が完成されている」と感激した様子。「旅に協賛してくれた自転車会社に、越前漆器とのコラボ商品を提案したい」と意気込んでいる。

 今後は長野や山梨などに寄り、11月初旬に東京にゴールする予定。終了後は、子ども向けの講演会開催や旅をつづった手記の出版などを考えている。

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