全国的な天候不順の影響で高値になっている野菜売り場=25日、福井市内のスーパー

 北海道や関東を直撃した台風などの影響で、野菜が不足し福井県内のスーパーでは9月以降、高値が続いている。例年の2倍以上の値をつけ、学校給食では食材を変更するケースも。日照不足で不作気味だった県内産は回復基調にあるものの、農家からは「年内は高値が続くのではないか」といった声も聞かれる。

 ■未経験の高騰

 「勤めて40年以上たつが、10月中旬の野菜(全品目)の単価は経験したことがないほど高い。しかも1カ月以上続くことはまれ」。青果卸売業の福井青果(福井市)の堀江治夫専務は、9月から続く高値市場を嘆く。10月中旬の卸売価格は平年の4割高以上だ。

 高騰の要因は8、9月に北海道や関東など全国的に上陸した複数の台風だ。特に北海道の被害は深刻で、同社の10月のダイコンの入荷量は前年比4割減、ニンジンは2割減(20日時点)。全国的な品薄で、県内産も県外からの引き合いが強く高値状態。ニンジンの卸売価格は前年比2・3倍、白ネギ、ホウレンソウ、ダイコンなどは5割高となっている。

 福井市内のあるスーパーでは、キャベツの販売価格は1玉398円で平年の2倍。ハクサイも半分サイズが398円と2倍以上だ。このため、値段が安定しているカット野菜がよく売れ、毎日夕方には品切れになるという。

 ■県内も不作

 県内の野菜農家も、9月の日照不足で今年は不作気味。福井地方気象台によると、県内では9月中旬から曇りや雨の日が多く、9月の福井市の降水量は平年比135%、日照時間は同71%。敦賀市の日照時間は統計開始以降、3番目に少なかった。

 嶺南のある農家は「9月初めに植え付けたブロッコリーが根腐れして駄目になった。それ以降は長雨で植え付けすらできなかった。現時点での収穫量は例年の半分」。取引価格は若干高めだが、不作をカバーするほどではなく「雪が降るまでにどれだけ収穫できるか」と気をもむ。福井市の農家も「葉物野菜の発芽率が悪く、病気も多かった」と嘆く。

 ■鍋やりたいけど

 高値野菜に消費者の悲鳴も聞こえてくる。福井市の主婦、城戸衣代さん(40)は「スーパーで野菜の値段を見てから、食事のメニューを決めるようになった」。同市の主婦(74)は「1日の食費が500〜千円くらい上がっている」。鯖江市の40代主婦は「寒くなったので野菜をいっぱい入れた鍋をやりたいけど…」と困り顔だ。

 予算が決まっている学校給食にも変化がある。福井市の北部学校給食センターでは、「毎日使うニンジンの価格が特に高い」(栄養教諭)ことから、その値上がり分を調整するため、牛肉を豚肉に変えたり、鶏のからあげをもも肉からむね肉に変えたりしている。

 高値市場はいつまで続くのか。堀江専務は、11月に入ると県内産の野菜の入荷が増え、価格は下がると見通すが、福井市のある農家は「関東の露地野菜の収穫が年内は間に合わないと聞く。県内市場の多くは県外産でまかなわれており、高値は続くのではないか」と話している。

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