福井県内の市町立小中学校数と統廃合の動き

 福井新聞は24日までに、県内17市町教育委員会に小中学校の統廃合に関する聞き取りを行った。統廃合に向けて動きだしている6市町以外では、ほとんどが今後の展開について「現状維持」と答えたが、「大きな課題」と指摘する意見も複数あった。「教育力の向上」を目指す統廃合は「地域の衰退」を招く可能性もあり、ジレンマを抱えているとみられる。一方で存続に向け、小規模校同士の連携授業といった新たな取り組みも始まっている。

 市町別の公立小学校数は福井市が50校で最も多く、続いて坂井市の19校、越前市の17校。町では若狭町の10校、越前町8校、永平寺町7校が続く。

 統廃合をめぐっては、大野市が2023年度に5中学校を1校に、26年度に10小学校を2校に統合する再編計画案を公表。勝山市は2018年度に中学校再編委員会を立ち上げ、19年度に結論を出す見込み。南越前町は本年度中に小中学校再編検討委を立ち上げる。

 敦賀市では今年7月に角鹿中学校区統合検討委が発足し、角鹿中と3小学校との統合に向けた検討を進めている。小浜市は19年度に遠敷小など4小学校を1校に統合した後、残りの小学校の再編について再検討する。あわら市は、小学校6校を3校にする再編が本年度末で完了。美浜町は15年度、小学校が7校から3校になった。

 他の自治体の多くは「現状の学校数維持」のスタンスを取る。小学校同士が数百メートルしか離れていないケース(岡本小と花筐小)もある越前市は「学校規模に応じた教育効果が上がっており、統廃合の考えはない」。県内で唯一人口が増えている鯖江市も「まったく考えていない」と話す。

 一方、福井市は文部科学省が小学校の適正規模を「12〜18学級」としていることを踏まえ「文科省の方針に合わせ、規模の適正化を検討していくことになる」。市内50小学校のうち、1学年1学級は15校、複式学級は7校あり、今後の動向が注目される。

 「現状維持」と答えながらも、統廃合を大きな課題と認識している自治体も複数あった。若狭町は「複式学級もあり将来の検討課題だが、地域の中の学校でもあり、現行体制で進めたい」と話す。

 自治体が動きづらい背景には、「教育」「地域」の拠点という観点から、住民の合意形成が困難なことがあるとみられる。ある市担当者は「賛否渦巻く中で、どう着地点を見いだすか。重い課題」と打ち明け「統廃合は首長選挙の争点になるほどの関心事。トップの腹が据わっていなければ、うかつに手を出せない」と指摘する。

 「学校は雇用の場でもある」というのは別の担当者。「統廃合すれば教員の雇用が減る。教員は地域の歴史文化に精通しているケースも多く、貴重な人材が地域外に流出する懸念がある」と話す。

 一方、越前町では6学級以下の小規模小学校3校が、本年度から合同授業や情報通信技術を取り入れた連携授業をスタートさせた。小規模校連携は、全国でも始まっており、学校存続のための一つの策といえそうだ。

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