リュックを背負って歩く森本光昭さん。スクエアなデザインがスーツに合う=福井市内

 レジャーや中高生の通学に使われるイメージが強いリュックサック。ただ最近は、スーツでびしっと決めたビジネスマンが背負っていたり、野球などのスポーツ選手が用具入れに使ったりと、利用者の幅が福井県内でも広がっている。その背景には、両手を自由に使える利点に加え、デザインや機能の進化がある。

 ■手をふさがずに

 手をふさがずに荷物を運べるリュックは、スマートフォンを操作するにも傘を差すにも便利だ。自転車だって乗れる。福井市の公務員の吉田昌平さん(24)は昨年、社会人になって自転車通勤を始めたときに購入した。「籠が付いていない自転車なので、背負えるバッグを選んだ」と毎日重宝している。

 吉田さんのは「スリーウェイ」と呼ばれるタイプで、手提げ、肩掛け、背負いの3種類の使い方ができる。このほか、純正のリュックもビジネスマンに愛用者が増えている。

 福井市内の金融機関に勤める森本光昭さん(46)は電車通勤。駅までの道のりを、四角いリュックを背負って歩く。スクエアでシンプルなデザインを見て「これならスーツに合う」と気に入り、購入した。容量も大きく、書類やファイルはB4サイズまで余裕で入る。

 ■袋の中身を保護

 バッグ販売のあぶらや(本社福井市中央1丁目)の西本真治・本店店長(47)によると、ビジネスマン向けのリュックは1年ぐらい前からよく売れるようになった。四角い形が特徴で、スーツに合わせやすいほか、書類を入れても角が折れない。さらにパソコンを入れるポケットが付いていたりする。

 機能性も高まっている。ウレタン系の芯材が入った商品は、置いたときに形を保ったまま立つので荷物の出し入れがしやすい。芯材がパソコンを保護する役目も果たす。

 リュックは20〜50代と年齢層を問わず売れており、価格帯は1万円台が中心という。かつては「ビジネスバッグといえば革製の手提げかばん」だったが、西本さんは「クールビズの登場などビジネスの服装がカジュアル化している流れが、バッグにも影響しているのでは」とみている。

 ■肩の負担偏らず

 スポーツ界では、以前はショルダーバッグが多かった高校野球の球児が、リュックを背負う光景をよく見掛けるようになった。

 今秋の県大会で優勝した福井商業は4年前に導入した。選手は移動の際、自分の用具に加えてチームの防具やクーラーボックスなど、とにかく荷物が多い。その点、両手が空くリュックは便利だ。北野尚文元監督は「プロ野球選手がリュックを担いでいるのを見て、これはいいと思った」と振り返る。

 選手の意見も興味深い。投手として活躍した同校3年の吉田充輝さんは「片方の肩に負担が掛かるショルダーバッグに比べ、リュックは偏らない。体のバランスが崩れず、けがの予防にもつながるのでは」と、アスリートならではの見方を示した。

 総合スポーツメーカーのミズノによると、2015年のデータでは国内の野球界全体(小学生〜プロ)でリュックが7割、ショルダーバッグが3割と、既にリュックが主流になっているそうだ。

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