夏休みに向けて活動の打ち合わせをするスタッフ=福井県済生会病院

 国立がん研究センターの推計によると近年、1年間に新たに発症するがん患者のうち、18歳未満の子どもがいる人は全国に約5万6千人。その子どもは約8万7千人に上るとみられており、適切な対処や支援が必要になっている。福井県済生会病院(福井市)は、7月23日~8月31日の夏休み期間中に全4回の日程で、年長児~中学生を対象にしたサポート活動を行う。がんの正しい知識や状況に向き合う力、感情への対処法などを学んでもらう。

 がん治療中の親を持つ子どもは、親の落ち込んでいる姿を見たり、コミュニケーションが減ったりすることで、不安感や気分の落ち込みを感じる割合が高まると懸念されている。疎外感や無力感を抱え込むケースもあるという。

 同病院は、米国で開発されたがんの親を持つ子どものためのサポートプログラム「CLIMB(クライム)プログラム」を導入。2014年から春、夏、冬休みに合わせてサポート活動を実施している。がんについて正しく知り、皆で一緒に絵を描いたり工作に取り組むことで、悲しみや怒りといった感情の適切な表現方法を身に付ける。ストレスへの対処力を高める内容にもなっている。

 がんであることを子どもに伝えていることが参加条件で、活動の場に親は同席しない。音楽療法士、看護師、臨床心理士ら医療スタッフと子どもだけでみっちりと取り組む。音楽療法士の柴田麻美さんは「がんに関する思い込みを解き、病気や治療について分かりやすく説く。がんはうつらない(伝染しない)こと、誰のせいでもないということも分かってもらう」と話す。

 昨年、小学6年と年長児だった子ども2人が参加した櫻川摩美さん(35)=福井県坂井市=は「生活しながら向き合っていける病気として乳がんを理解し、協力的になってくれた。また、自分と同じような状況の子どもがいることを知り、前向きになれたようだ」と語る。がんの当事者として親同士で悩みを話し合い、交流したことも大きな糧になったという。柴田さんは「子どもにどのように伝えたらよいかのアドバイスや事前相談にも応じている。気軽に問い合わせてほしい」としている。

 参加は無料。20日まで募集している。全4回の日時は参加者の都合に合わせて調整する。問い合わせは同病院がん相談支援センター=電話0776(28)1212。

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