新幹線敦賀駅と在来線駅のイメージ

 2023年春の北陸新幹線敦賀開業で、新幹線敦賀駅と在来線駅を結ぶ連絡通路に整備される「ムービングウオーク(動く歩道)」の電源として、福井県敦賀市が自立型水素エネルギー供給装置の導入を検討していることが7月11日分かった。同市の玄関口となる場所で、水素関連産業や活用社会の拠点化を目指す市の取り組みをアピールする狙いとみられる。導入が決まれば、新幹線関連施設では全国初という。

 敦賀駅は新幹線ホームと在来線改札口の距離が約200メートル離れ、市は在来線列車との乗り換え利便性の確保や観光客を駅西地区にスムーズに誘導するため、「動く歩道」の設置を国に要望。昨年5月の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの検討委員会で、設置が決まった。

 関係者によると、動く歩道の規模や費用負担について、鉄道建設・運輸施設整備支援機構と県、市が協議。連絡通路に長さ約30メートルを設置する方向で検討し、県が整備費を負担、市が電力供給する方向で調整している。

 動く歩道の電源として導入を検討している自立型水素エネルギー供給装置は、東芝エネルギーシステムズ(神奈川県川崎市)の「H2One」とみられる。太陽光で発電した電気と水を使って水素に変換してタンクに蓄え、災害時などに燃料電池により電力供給するシステム。

 関係者によると、設置場所は新幹線敦賀駅東口の駅前広場を軸に検討。初期費用は国の補助金の充当も視野に入れているとみられる。導入に向け国や鉄道・運輸機構、JR西日本の理解を得る必要があり、費用対効果などの検討も重ねている。

 H2Oneは、市役所の建て替えで新庁舎に設置する方針も示しており、災害時の避難市民のための電力に使う考え。さらに市は本年度、東芝エネルギーシステムズが市内で計画する水素ステーションの実証実験を補助事業に採択した。

 市は日本海側初の広域的な水素産業や活用社会の拠点化を目指し、本年度内に実施計画を策定する方針。動く歩道の電源や新庁舎への導入が正式に決まれば、市内3カ所で水素エネルギー供給装置が稼働することになり、水素を含む再生可能エネルギーの推進都市としてアピールできそうだ。

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