大量の土砂が国道305号を覆った福井県福井市居倉町の崩落現場=7月9日午後3時ごろ、同市赤坂町から

 西日本豪雨で7月5日から8日にかけて、福井県内各地で土砂災害警戒情報が出された。人的被害はなかったが、福井地方気象台は「長く降り続いた雨が蓄積され、土砂崩れの危険性が高まっていた」と強調。短時間の猛烈な雨で足羽川堤防が決壊した2004年7月の福井豪雨に比べ、「目に見える恐怖」が少ないため危険を感じにくかったとし、「今回のような災害にも警戒してほしい」と防災意識の向上を呼び掛けた。

 今回の豪雨は九州から東北にかけて停滞した梅雨前線や台風7号の影響で、広範囲に長く雨が降った。福井県内で被害が拡大しなかった理由を、同気象台の山本浩気象情報官は「(県内付近では)前線が海上に延びていたため」と説明。隣接する京都府や岐阜県には「大雨特別警報」が出ており、状況が少し変わっていれば福井県も基準に達していた恐れがあったという。

 福井豪雨は、旧美山町の雨量が1時間に87ミリを観測するなど短時間に猛烈な雨が降った。今回は5日間にわたる断続的な雨が山地にじわじわと蓄積、山本気象情報官は「(土砂崩れの)目に見えない恐怖が迫っていた」と説明する。総雨量は大野市九頭竜で424・5ミリ、福井市越廼で330・0ミリに上った。

 今回の大雨で氾濫危険水位を超えたのは浅水川(鯖江市)、服部川(越前市)、天王川(越前町)、笙の川(敦賀市)の4河川。このうち福井豪雨で堤防から越水した浅水川は、川幅拡張や河床掘削などが行われた。

 県によると、鯖江市内の24時間最大雨量は福井豪雨時とほぼ同量で、県河川課の担当者は「今回越水しなかったのは、改修の効果があったと考えられる」と話している。

 県は現在、天王川、笙の川を含む約20河川で改修を進めているほか、服部川でも計画している。

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