福井県議会の議員36人の2015年度政務活動費収支報告書(同年5月〜16年3月)を福井新聞が調べたところ、県単位の競技団体の役職に就いている複数の県議が、県外での団体関連の会合や国体視察の旅費、日当を政務活動費から支払っていたことが分かった。県条例に基づく運用マニュアルでは、県議が団体の役職の立場で団体会合などに出席する場合は政務活動費が充てられない。ただ線引きはあいまいで「議員として出席したと議員本人が報告すれば、議会事務局は政務活動費と認めざるを得ない」(県議OB)との指摘もある。

 ■国体の激励で

 県相撲連盟会長の山本芳男議員(県会自民党)は15年9月26、27の両日に和歌山国体を視察した。

 山本芳議員は和歌山市で行われた相撲競技会場を訪れ、JRの交通費、宿泊費、日当の計3万8920円を政務活動費から支払っていた。「福井国体を控え、会長が顔を出さない訳にはいかない。会長として福井県選手を激励し、競技開会式の進行なども参考になった」と主張している。

 県レスリング協会長の田中宏典議員(同)も和歌山国体を2日間視察した。自家用車の交通費、宿泊費、日当の計5万1902円を政務活動費で充てた。

「会長としてではなく、議員の立場で国体の施設整備や運営の問題を確認するため(の視察)だった。(政務活動費の)適当な使用と考えている」と話した。

 大飯郡選出で、福井国体では高浜町がセーリングとトライアスロン、おおい町がレスリングと軟式野球の会場になっているため、開会式やセーリング競技会場の和歌山市とレスリング競技会場の那智勝浦町を訪れた。

 ■見聞広める

 田村康夫議員(県会自民党)は、県インディアカ協会長と県スポーツ吹矢支部長を務めている。政務活動費から旅費を出したのは、インディアカ関係は15年5月に東京で開かれた日本協会の総会と、同年9月の東海北陸ブロック富山大会。吹矢関係は、同年7月と今年1月に東京で開かれた会合の旅費に充てた。計9万4980円で、日当を合わせると計11万6580円になる。

 田村議員は「議員として出席しているので、政務活動費から支払うのは問題ない。議員と団体会長の立場は一心同体。スポーツ行政発展のため、議員として見聞を広めることが大事だ」としている。

 各競技団体の事務局によると、3議員には旅費や宿泊費などは支給されていなかった。議員と団体役職、政務活動費と旅費の線引きについて田中宏議員は「議員一人一人が、自分の中で律するしかない」と強調した。

 県議当時、競技団体の会長を務めていたOBの一人は「協会からの旅費で出張していたので、政務調査費当時を含めて政務活動費からは支払っていなかった」と説明する。ただ、声を潜めてこう漏らした。「収支報告書だけでは、協会から旅費が支給されていたのかどうかは分からない。他の団体の会長を務めていた議員の中には、確信犯的に二重取りしていたケースがあったかもしれない」

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