政務活動費で親族会社などに事務所費を支払っているケース

 福井県議会の議員が政務活動費で充てた事務所費に関する福井新聞の調べでは、疑念を抱かれかねない支出例が見つかった。議員側は一様に政務活動費の運用マニュアルに基づき、法的な問題はないと主張するが、説明責任や制度の改善を求める声が上がりそうだ。「身内に甘いマニュアルそのものに欠陥がある」との指摘もある。

 ■生計は別々

 宮本俊議員(県会自民党)は過去に自身が社長を務め、現在は弟が社長を務める越前市内の会社の一角に事務所を構えている。1カ月当たりの賃借料は5万円で、後援会活動と案分し、うち2万5千円を政務活動費で充てている。

 宮本議員は「会社役員からは退いているし、議会事務局からチェックも受けている」と問題がないことを強調。また「いくら親族が経営しているといっても、法人と契約して法人のスペースを占有しているのだから、料金を支払わないのは違和感がある」と話している。

 清水智信議員(同)は、兄が社長を務める福井市内の会社に事務所を借り、月8万円の賃借料のうち4万円を政務活動費から支出。清水議員はこの会社の役員に名を連ねている。「自宅は別の場所にあり、(兄と)生計も別々。問題はないと思う」と説明した。

 元議長の斉藤新緑議員(同)は、坂井市内にある物件の一部を事務所にしている。事務所スペースはこれまで、本人や親族とは関係のない会社から借り上げ、月10万円の家賃のうち5万円を政務活動費で支払っていた。3月末からは、事務所スペースの所有権は親族が取締役に名を連ねる会社に移り、貸主となっている。斉藤議員は「親族といっても名義だけ。政務活動費で充てても問題はないと思う。問題があるなら名義を抜くことも考える」としている。

 ■還流はない

 元議長の田村康夫議員(県会自民党)は、鯖江市内で同居する実父が所有している近くのビルに事務所を構え、貸主の「オフィスゼロ」に2010〜15年度の6年間で約350万円を政務活動費で支払っていた。収支報告書によると10〜12年度の家賃は月6万円で、その半分を政務活動費から支出。13〜15年度は月7万円の全額を充当していた。

 事務所内に間仕切りがあり、オフィスゼロの机とパソコンがある形で、固定電話は両者が共有で使用しているという。田村議員は「オフィスゼロの代表は家族ぐるみで付き合いのある知人で、ビルが建った時から実父が、部屋を管理室として無償であてがって管理をお願いしていた。県議になった際、自宅近くにいい物件がなかったため、スペースの一部を貸してもらっている」と説明。その上で「家賃は知人に払っており、実父には還流していない。誤解を招かないよう、今後は貸主を知人名に変更できないかを相談したい」と話している。オフィスゼロ代表の知人も「賃借料は管理費のようなもの。田村氏に戻したことはない」という。

 政務活動費など税金の使い道をチェックしている市民オンブズマン福井の大久保公夫幹事は「同居していても生計が同じか別かなどは、第三者では白黒付けられない。議員は自分に甘いルールをつくっている」と指摘。市民が関心を持ち、多くの目で使途を厳しくチェックすることが不正防止策につながるとしている。

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