草に覆われた空き家(奥)取り壊しの行政代執行を宣言する福井県越前町の職員=12日、同町梅浦

 福井県越前町は12日、老朽化により倒壊の恐れがある同町梅浦の空き家について、空き家対策特別措置法に基づき、行政代執行で解体に向けた作業に入った。行政代執行による取り壊しは、県内では初めて。

 空き家は木造瓦ぶき2階建て、延べ床面積約90平方メートルで築60年以上が経過。柱やはり、外壁などが激しく傷んでいる。所有者の女性は2011年に死去しており、相続人全員が権利を放棄している。町は審議会の答申を受け、特定空き家に認定し、所有者不在として代執行に踏み切った。建物の除去費用は約274万円で、町と国が分担する。

 この日午前10時、牧田芳広町定住促進課長が空き家前で行政代執行の宣言文を読み上げた。この後、業者が資材を搬入し、足場を設置した。今後、17日から本格的な解体を始め、11月末までに完了する。

 行政代執行には地元住民らも集まり、宣言の様子を見届けた。橋本一志梅浦区長は「地元住民はずっと倒壊の危険を感じていた。県内で最も早く対応してもらいホッとした」と話していた。

 町によると、町内の家屋や倉庫などの空き家は700軒以上ある。牧田課長は「行政代執行による取り壊しは町の負担になる。所有者、住民の理解と協力をもらいながら、順次対応していきたい」と話していた。

 県によると、8月末時点で県内では51軒が特定空き家に認定され、そのうち所有者により4軒が解体、3軒が改善されている。

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