夢あふれる紙製ロボットの公開制作を行う村田将吾さん(左)=9日、福井市のハピリン

 紙製ロボット作品を創作する福井県坂井市のアーティスト「ムラタクン」こと村田将吾さん(17)の公開制作が9日、福井市のハピリンで行われた。1枚の紙に手書きで空想ロボットのパーツをびっしり描き、切り貼りして立体作品を作り出す。頭の中で平面図と立体が直結する天才的な創作過程を披露した。

 福井市中心部で開かれている「フクイ夢アート」(30日まで、福井新聞社共催)の一環。ハピリン4階で、NPO法人福井芸術・文化フォーラムが企画しているイベント「みんなでつくる『枠』×『枠』宇宙ステーション」に招待された。

 村田さんは小学2年のときに出合ったペーパークラフトをきっかけに、紙製の立体的なロボットを作り始めた。ポスターなど1枚の紙の裏に、色とりどりのフェルトペンでロボット1体分の全パーツを載せた「展開図」を下絵なしに描く。それをはさみで切り、セロハンテープで形づくって組み立てていく。

 これまで千点以上の作品を制作。昨年は美術の専門教育を受けていない人たちによる独創的な芸術作品「アール・ブリュット」の全国公募展で入選に輝いた。近作ではロボットの手足を自由に動かせる関節の部品を“発明”し、複雑なロボットへ進化。男女ペアの作品では大きさがぴったり一緒になるなど、緻密さも抜群。アニメや映画から着想するといい、ストーリー性を持った作品群も出てきている。

 この日は、イベントに合わせて段ボールで作った高さ約1メートルの「宇宙船」を出展。不時着したという想定で、わざと不安定な設計にし、船内にはロボットを入れた。宇宙にちなんだ宇宙飛行士やサイボーグなどのユニークな作品群も展示した。

 母の康代さん(48)は「作品を通して人と触れあい、楽しんで創作してどんどん工夫が生まれている。制作依頼も来るようになった」と目を細める。村田さんは既に新たな作品の展開図を何枚もストックしているが「いつ完成するかは分からない」と笑う。展開図だけでは誰も出来上がりを想像できず、今後に期待が膨らむ。

 村田さんの公開制作は23日午前11時からも行われる。このほか同NPOは30日午後2時から、宇宙航空研究開発機構の元研究官を迎えたトーク企画を行う。いずれも無料。

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