練習に打ち込む細見綾香=福井県小浜市

 中学生のときに言われた、何げない一言で細見綾香(福井県若狭健康福祉センター)の人生が変わった。「陸上部だったのに先生にふと『重量挙げでオリンピック狙えるぞ』って言われて。その言葉がずっと心に残っているんです」

 あの時は半信半疑だった。だが今は違う。5月の全日本選手権女子53キロ級で3位入賞。リオデジャネイロ五輪代表で大会を制した八木かなえとはトータル17キロ差あったが「その前は33キロ差。半分縮まった。この調子でいけば、逆転できる」と息巻く。

 競技歴は浅い。高校には部活がなく、大学から本格的に始めた。ここでも部活はなかったが、知人を通じてある男性に師事することになった。モントリオール五輪代表の藤代末男氏だった。「偶然。本当に幸運。何も分からなかったけど、一から全部教わった」。五輪戦士との二人三脚で着実に成長を遂げた。

 「腕っ節の強さは負けない」という力自慢。小柄ではあるが、鍛え上げた上半身には不屈のパワーが宿る。課題は技術と経験。同世代のトップレベルと比べ「圧倒的に場数が少ない」。だからこそ、伸びしろは大きい。県協会の山本恒博理事長は「筋力だけじゃなく、器用。素質は十分」と太鼓判を押す。

 今春から福井に移り「練習するしかない。不安がなくなるまでやる」と男子選手らとトレーニングに打ち込む。強い覚悟をにじます一方で、練習の合間の表情は明るい。「結果を求められる立場だけど、開き直って自分のために頑張っています」。あくまで目標は世界。福井国体は通過点にするつもりだ。

 ■細見綾香(ほそみ・あやか)兵庫県出身。中学、高校は陸上競技に打ち込み、園田学園女大で本格的に重量挙げを始めた。今春から福井県若狭健康福祉センターに勤務。5月の全日本選手権では、女子53キロ級で3位入賞を果たした。身長149センチ、体重53キロ。22歳。

小浜市
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