最終盤でトップに立ち、優勝を決めた中村愛花(左)=岩手県紫波自転車競技場

 岩手県で開かれている第71回国民体育大会「2016希望郷いわて国体」は8日、各地で競技が行われ、自転車女子スクラッチの中村愛花(福井県立科学技術高)が優勝した。中村は、同種目で全国高校選抜、全国高校総体(公開競技)との3冠を達成した。

 高校2冠の18歳が、プロ選手が出場する国体の舞台でも頂点を極めた。今国体から正式種目になった自転車女子のスクラッチ(10キロ)で、最終盤に逆転劇を演じ、初代女王に輝いた。「プロ選手がいる中でどこまで通用するのかなと思っていた。冷静に走れた」と貫禄たっぷりに語った。

 「まだまだ」。中村は何度も自分に言い聞かせていた。バンクを周回するスピードは高校生同士より速かったが「焦るほどじゃなかった」。中盤までは集団後列で力を温存。すべては後半、スパートをかけるために−。

 残り2周にさしかかった。そのときが来た。「日本で5本の指に入る選手」(小林監督)に、食らいついた。ラスト1周、2番手。「差せるんじゃね、と思った」。ホームストレートで最後の力を爆発させ、土壇場で逆転しゴール。冷静なレース運びで優勝を決めると「少し恥ずかしかったけど…」と右拳を控えめに雨空へ突き上げた。

 自転車女子が国体の正式種目になることが決まったのは、高校1年生のとき。「初代王者になれたらかっこいいなって言っていた。本当に優勝するなんて思ってもいなかった」と笑う。高校卒業後は、大学に進学する予定だ。「ここで気を抜かずに練習して福井国体でも優勝したい」。3冠を成し遂げたヒロインは、いつものおっとりした口調で語った。

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