8月に海水浴をしていてオコゼに刺されました。右腕の肘より下が腫れ上がり、痛みや違和感が治まるまでに1週間ほどかかりました。2回目に刺されたときは「アナフラキシーショック」に注意する必要があると聞きました。今からの季節も、家族で磯遊びや釣りに出かける機会があります。オコゼなど毒を持った生物に刺された時の救急法、治療法があれば教えてください。(福井県坂井市、40代女性)

 【お答えします】桑原慎治・福井県済生会病院非常勤医師、くわばら皮膚科クリニック院長

 オコゼやカサゴ類は、ひれに毒を持ち、刺毒魚と呼ばれています。夏は海で遊ぶ機会が多いため、これらの毒魚に刺されることも増えます。

 主な症状は、直後に痛みが出、腫れやしびれを伴います。重症では吐き気、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛があることがあります。血圧低下や呼吸困難が出現するアナフラキシーショックはまれですが、初めて刺された場合でもアナフラキシーショックが起こる可能性があります。

 オコゼはカサゴ目に分類され、現在までのところ23属57種が報告されています。オニオコゼ、ダルマオコゼ、ハオコゼ、ヒメオコゼ、ミシマオコゼ、オニダルマオコゼなどが日本で生息しています。福井ではオニオコゼやハオコゼが多く確認できます。

 オコゼの中でも、オニダルマオコゼは猛毒で有名で、毒はハブ毒の約80倍といわれており、刺されて重症化したケースもあります。

 オコゼは、共通して、背びれに12〜13個、腹びれ、尻びれには5個の毒棘(どくきょく)を持っています。有毒成分は、特異的な毒素成分が解明されていないものもありますが、一般的に毒素は非常に不安定で、熱で急速に分解するとされています。また、痛みの成分も熱で分解されるとされています。

 刺された場合の処置としては、早期の応急処置が必要であり、刺した魚を確認できないことも多いですが、傷口を洗浄し、棘(とげ)が残っている場合は除去することが必要です。毒成分は、熱で急速に分解する共通の性質を持っているので、刺された場所を42〜45度の温水に30〜90分浸すことが有効です。良くならない場合は、早期の医療機関の受診をお勧めします。

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