「越前和紙で日本の美を描く 平山郁夫展」(越前市文化振興事業団、平山郁夫美術館主催、福井新聞社など共催)は三十日、同市いまだて芸術館で開幕した。大作「月華厳島」(一九九三年)をはじめ、日本画壇の重鎮、平山さんが越前和紙に表現した日本の美景を一堂に展示している。

 同市の合併一周年記念事業。日本各地の風景を描いた本画八点、下図一点、素描画八十四点、扇面画十点の計百三点を披露している。

 開幕式には、奈良俊幸市長、山本雅俊副知事ら関係者約七十人が出席。実行委の三村義雄会長は「平山画伯の数々の名作を通して、日本画の神髄に触れてほしい」とあいさつ。平山さんの実弟で平山郁夫美術館長の平山助成さんは「今立地区で漉(す)かれた和紙による作品を披露でき、うれしい。多くの人に絵を見てもらいたい」と話した。

 テープカットの後、助成さんが展示作品を解説。助成さんは、奈良県の法隆寺などを曼荼羅(まんだら)風に描いた「斑鳩里(いかるがのさと)曼荼羅」(六五年)、平山さんの故郷に近い広島県の「因島大橋 夕陽」(九九年)などの制作の背景や思い出話を紹介した。

 幻想的な雰囲気を出すため「あえて群青色で表現した」(助成さん)という「月華厳島」は、下図も展示。幾重にも塗った岩彩からにじみ出る奥深さに、来場者は足を止めてじっくりと見入っていた。

 十月二十九日までで、会期中無休。入場料は一般九百円、高校生五百円、小中学生三百円。問い合わせは同芸術館=電話0778(42)2700。