第100回を迎える夏の甲子園と秋の福井国体を心待ちにする北野里志さん=福井県永平寺町の自宅

 かつて高校野球の審判員を務め、来年3月に100歳となる福井県永平寺町の男性が第100回大会を迎える今夏の甲子園と50年ぶりの福井国体を心待ちにしている。腰のけがで今年5月まで3カ月余り入院していたが、「野球は生きがい。試合が楽しみ」と節目の大会を前に元気を取り戻している。

 この男性は北野里志さん(99)。

 福井商業高を春夏の甲子園に通算36度導いた名将、北野尚文さん(72)の叔父に当たる。里志さんの三男、幸作さん(67)は北陸高時代にプロ野球中日からドラフト4位指名を受けた。プロ入りはしなかったが、法政大、社会人で活躍するなど野球との関わりは深い。

 里志さん自身も小学時代から野球に親しみ、満州や福井で働きながら草野球を続けた。中学の指導者、審判を務めたほか、1968年の福井国体を挟み、7年ほど高校野球の審判員を担当した。

 1巡目福井国体の高校野球もジャッジした。「沖縄・興南高の試合で塁審をしたときに、スタンドから聞こえた応援団の指笛が今も耳に残っている」と述懐。「優勝した若狭高の乗替寿好投手は左腕から投げ込むインコースの直球が良かった」と振り返った。

 尚文さんが監督として福井商業高で甲子園に出場するたびに応援に行ったといい、「やっぱり(78年の)選抜高校野球大会準優勝が印象深い」とうれしそうに話した。

 腰の圧迫骨折で今年1月末から100日ほど、福井市内の病院に入院した。長男の常夫さん(73)ら家族は心配していたが、本人は「自宅で過ごしたい」と希望。第100回全国高校野球選手権と福井国体が重なる特別な年でもあり、「心待ち」にする気持ちも回復の原動力となった。

 自宅では食欲旺盛で元気そのもの。歩行器を使ってトイレにも行く。普段はもの静かだが、野球の話題になると、生き生きと目を輝かせて話が止まらない。甲子園のラジオ中継を聞きながら試合のイニングスコアをつけるのが楽しみの一つだ。「国体で始球式をするのが夢。足腰が悪いけど、やってみたい」と言って周囲を驚かせた。

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