福井県大野市の水環境を視察する東ティモールのクルス大使(右手前)ら=28日、同市泉町の「御清水」

 安全な水源の確保に苦しむ東南アジアの島国、東ティモールの駐日大使が28日、同国を支援する福井県大野市を初めて訪れ、水関連施設を視察した。大使は市民の善意に感謝するとともに「イトヨを守り、水を守っていることに感銘を受けた」と話し、豊かな水環境を保全する活動をたたえた。

 東ティモールは2002年に独立。上下水道が整備されていない地域が多く、国民の3割が清潔な水を確保できていないとされる。同国に給水施設を整備するため市は、3年間で30万ドルの寄付を目指して市民から浄財を募っていて、このうち最初の10万ドルを10月に寄付する。同月中旬には市の視察団が同国を訪れる予定で、今回の訪問を皮切りに交流を深めていく。

 フィロメノ・アレイショ・ダ・クルス大使と、エヴァンジェリーノ・ゴメス二等書記官の2人が市役所で、岡田高大市長を表敬訪問した。クルス大使は「市長と大野市の支援に感謝している。今後長期間にわたる友好関係を築いていきたい」と述べた。

 その後、名水百選に選ばれている同市泉町の「御清水」を視察し、湧き水を試飲。同市糸魚町の本願清水イトヨの里も訪れ、美しい水環境にしか生息しない淡水魚「イトヨ」を観察した。

 クルス大使らは「ビューティフル」と水が湧き出る光景に見入った。ゴメス二等書記官は「東ティモールでは生活に使える水資源に限りがある」と話し、大野の水環境に関心を深めていた。

 市は水に焦点を当てた地域活性化事業「キャリング・ウオーター・プロジェクト」に取り組んでおり、寄付金を集めて東ティモールに給水施設を整備する取り組みは事業の核の一つ。市内の店舗など約220カ所に募金箱を設置しているほか、イベント会場でも呼び掛けている。

 また、市は2020年東京五輪での同国選手の事前キャンプを誘致しており、大使らは市内の競技施設、奥越ふれあい公園やエキサイト広場も視察した。

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