眼鏡用レンズの製造が進むアサヒオプティカルの本社工場。増産が続き、人員確保に苦心する=7月2日、福井県鯖江市下河端町

 出来上がったレンズを検査する人、レンズの材料を型に流し込む人、使った型を再利用のため洗浄する人…。眼鏡用レンズ製造のアサヒオプティカル(福井県鯖江市)の本社工場では、作業服姿の社員たちが黙々と各工程に取り組んでいる。海外市場の開拓を進めた効果もあり「ここ4、5年はずっと増産が続いている」と酒井順二社長は好調な状況を話す。

 ただ、増産に人員が追いつかない。募集活動もしているが、県内は有効求人倍率が全国トップクラスで、なかなか思うような人材を採用できないのが現状だ。納期や品質を守るため酒井社長は「今いる社員に残業や休日出勤をお願いするしかない状況が続いた」と明かす。夜の8時、9時まで残業し、繁忙期には休日勤務を合わせて時間外労働が、三六協定で定めた特例の月80時間に迫る社員もいたという。

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 働き方改革関連法の成立で、残業時間に罰則付きの上限規制が設けられる。「労働者の立場に立った改革だ」と評価するのは連合福井の横山龍寛会長。青天井での時間外労働も可能な現状に法的な規制が設けられ、「過労死の抑止につながる」と前向きに受け止める。

 だが、限られた人員で競争を生き抜く企業からは「正直厳しい。原則上限の月45時間を上回る可能性は十分ある」(県内の食品メーカーの労務担当者)との声が聞かれる。福井市のシステム関連企業の幹部も「大型プロジェクトの納期が迫る場合などは、短期的だが残業が増える。法施行後は取引先に対し、納期延長の交渉なども必要になるだろう」と苦渋の表情を見せた。

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