集落内に流れ込んだ土砂に重機や土のうで対応する住民=7月7日午前8時半ごろ、福井県越前町梅浦

 断続的な大雨の影響により、福井県内各地で7月7日、土砂流出や道路の冠水が相次いだ。山から流れ出た雨水が直撃した集落や、越水の危険が高まった河川では、住民や消防団が土のうを積んで懸命に対応。避難所で不安な一日を過ごした住民もいた。

 越前海岸に面する越前町梅浦では、集落東側の国道365号が土砂に覆われたほか、集落内を通る町道にも裏山から土砂が流れ出し、住民らが土のうを積むなど対応に追われた。国道305号では、越前岬付近の玉川トンネル北側約60メートル先の斜面で土砂の流出や倒木があった。

 同町血ケ平では住宅3軒ほどが床下浸水した。山下恒和区長(70)は「集落内を流れる川も氾濫し、道路が川みたいになった。昨年10月の台風21号のときのようだ」。同町玉川では、集落内を流れる玉川川の水位が上昇。近くの女性は(66)は「川が増水し、橋に当たって激しく吹き上がっているのを見て鳥肌が立った」と語った。同町気比庄では天王川に越水の恐れがあるとして、消防団員らが土のう約千個を積んだ。

 福井市越廼地区でも、国道305号で濁流による冠水や土砂流出があり、越廼公民館に正午までに10~80代の7人が身を寄せた。避難していた女性(57)は、避難勧告発令の防災無線を聞き、午前4時すぎに家族4人で慌てて避難。「他県の状況を見て、勧告が出たら避難しようと決めていた。こんなことは初めて」と不安げに語った。母親(84)を消防署員におんぶしてもらいながら避難した女性(54)は「大きな被害が出てからでは遅いと思った」と雨が降り続く窓の外を見ていた。

 半島の先端部に位置する若狭町常神では、山から流れ出た雨水と土砂が集落を直撃。側溝に土砂が詰まり、あふれた雨水が集落に押し寄せ、午前5時半ごろには住宅間の路地が水路のようになった。住宅の基礎部分ぎりぎりまで水が押し寄せた所もあり、消防団員らは土のうを積み上げるなどして対応。地元青年団は三方消防署員らと協力し、区民に避難を呼び掛けた。東正海区長(41)らによると、側溝は川を埋め立てたもので、山からの雨水が流れる経路になっているという。

 床下浸水した男性(70)が経営する民宿では、強い雨が降っていた午前6時半ごろ、建物裏の山から一気に雨水が流れ、5分もしないうちに床下が水に漬かったという。「今までにない経験。夜中の就寝中でなかったのが幸い。このまま落ち着いてくれれば」と不安そうに話した。

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