高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、廃炉を含め抜本的に見直す方針を政府が表明したことを受け、お膝元の同市白木区の住民は「廃炉となれば成果を残せなかった負の遺産だけが集落に残ってしまう」と危機感を募らせた。一方でトラブル続きの経緯を踏まえ「仕方ない」と冷めた視線を送る市民もいた。

 白木区の坂本勉区長(60)は「最初『協力お願いします』と頭を下げておきながら、やめるときは東京で勝手に決めるのか」と不信感を募らせる。「夢の原子炉が、むだなことをしてきただけの施設になってしまう。それがさみしい」。半農半漁の集落は、もんじゅあってこそ存続してきたとの思いもあり、集落の将来に不安を募らせた。

 もんじゅの交付金で建てられた福井大附属国際原子力工学研究所(同市鉄輪町1丁目)で、高速増殖炉の燃料を研究する福井大大学院工学研究科2年の大平直也さん(23)は「たとえ動いていなくても、もんじゅは日本の高速炉開発の意欲の表れだった」と感じている。「廃炉なら研究に人も金も集まらなくなる。自分も研究を続けるなら海外に行く必要があるかもしれない」と話した。

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