高速増殖炉「もんじゅ」=10日、福井県敦賀市

 政府は21日夕、原子力関係閣僚会議を開き、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、廃炉を前提に抜本的に見直す方針を確認した。菅義偉官房長官が明らかにした。もんじゅ抜きでも核燃料サイクル政策は維持、もんじゅに代わる高速炉研究の方向性を協議する官民会議を設置し、地元の意向も踏まえた上で、年末までに正式な結論を出す見通しだ。

 もんじゅには1兆円以上の国費が投じられたが、運転実績はほとんどない。安全管理上の不祥事が相次ぎ、原子力規制委員会が所管の文部科学相に運営主体の変更を求めていたが、体制刷新は困難な上、試算で再稼働に約5800億円が必要とされる追加投資に国民の理解は得られないと判断した。一方、廃炉の場合でも約3千億円必要との試算もある。

 高速炉の研究開発については、フランスで計画中の高速炉「ASTRID(アストリッド)」での共同研究などを検討している。世耕弘成経済産業相は閣僚会議後、記者団に、もんじゅの前段階の実験炉「常陽」(茨城県)も活用する意向を示した。

 松野博一文科相は21日夜、福井県を訪れ西川一誠知事らと面会、閣僚会議の内容を報告する。

 もんじゅは、原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムなどを取り出し、燃料として使う核燃料サイクルの象徴的な研究施設。文科省は、原子力機構の関連部門を分離し存続させる案を目指してきたが、原子力政策全体を担当する経済産業省が否定的で、電力業界からも協力が得られなかった。

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