福井県勝山市で昨年3月、赤トンボ研究の教え子だった大学院生菅原みわさん=当時(25)=を絞殺したとして、殺人の罪に問われた元福井大大学院特命准教授の無職前園泰徳被告(44)=勝山市=の裁判員裁判第5回公判が20日、福井地裁であった。被害者参加制度を利用し、菅原さんの父親ら遺族4人が意見陳述。前園被告への怒り、不信感をあらわにし「娘を返してほしい」と訴えた。

 菅原さんの父親、母親、2人の妹が意見陳述した。妹2人は一緒に法廷に立ち「(弁護側の主張で)姉に関し障害という言葉が出て、第三者におかしい人という風に誤解されないか心配だ」と述べた。菅原さんは同被告と出会ってから雰囲気が変わったとし、菅原さんの携帯電話を破棄するなど証拠隠滅を図った同被告に「もう真実を知ることができない。不信感しかない」と怒りを込めた。

 父親は、自分が菅原さんの勝山行きを許すなどしたことから「娘を被告に託した張本人だ」と自らを責めた。被告の公判での様子を見て「どこか人ごとで、心からの後悔、反省がない」と述べた。

 母親は事件から1年以上たった今も菅原さんの死を受け入れられない気持ちを明かし「(遺体を)家に連れて布団に寝かせた時は、苦しそうだった表情が安心した表情に変わった。本当のみわを返してほしい」と声を震わせて訴えた。

 意見陳述に先立ち、被告人質問が行われた。前園被告は逮捕後、「死ぬことだけ考えた」としたが「事件の真相を語ることが自分の責任と考えるようになった」とした。一方、菅原さんから家族を殺害すると告げられていたことから「家族を守ったという気持ちもあった」とした。

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