安倍晋三首相と面会後、取材に応じる曽我ひとみさん=7月5日午後、首相官邸

 北朝鮮から帰国した拉致被害者5人が住む福井県小浜市と新潟県柏崎市、佐渡市の3市長と、同市の拉致被害者曽我ひとみさん(59)が7月5日、安倍晋三首相と官邸で面会し、「(拉致問題の)全面解決に向け政府の主体的な直接交渉を」と要望した。安倍首相は「日朝首脳会談でこの問題を解決しなければならないと決意している」と強調した。

 6月の米朝首脳会談を踏まえ、政府としてこの機を逃すことなく主体的に北朝鮮と直接交渉を行うことと、帰国被害者への配慮の2項目を求める要望書を手渡した。松崎晃治小浜市長は、安倍首相の任期中に全面解決してほしいとの同市の拉致被害者地村保志さん(63)のメッセージを伝えた。

 安倍首相は「金正恩(キムジョンウン)氏と向き合い、日朝の対話を行う。そう簡単な問題ではないが両国が相互不信の殻を破り、新たな外交をスタートさせなければ問題は解決しない」と決意を示した。

 曽我さんは面会後、残る被害者や家族が高齢化する現状を踏まえ「一日も早く(帰国を)実現してほしい。私たちには時間がない」と訴え、曽我さんと共に拉致された母ミヨシさん=失踪当時(46)=を「もう一回抱きしめたい」と話した。

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